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テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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これでラストです。オチ部分。ちょっとだけ、世良花。

拍手[5回]


「良いですねぇ、切なくて!」
「でも、佐竹さんの話もなかなか……」
「今中先生とのネタもあるんでしょう?」
 再び、蟹江も加わっての、それぞれの好きな組み合わせの話になる。
 そのとき――
「あ、角田師長。戻ってたんだね」
 突如、話題の人物が現れるというハプニングに、突如、角田は超音波ボイスで発生練習を始め、佐竹は黙って俯き、蟹江は素早くパソコンの画面を切り替えた。
「二人とも、今日もお疲れ様。お茶でも飲もうか。今中先生、お茶入れてよ」
 言いながら、後から入って来た今中を見る。懲りない蟹江が、「30分くらい前に、全館放送で呼び出してたから、それからずっと、院長室に二人で居たはずですよ」と佐竹に耳打ちした。そんな会話を知るはずもなく、今中はうんざりしたような目で世良を見てから、のろのろとお茶の準備を始めた。
 佐竹が、控えめに湯飲みを並べるのを手伝う。
 世良自身が動けば、角田が一も二もなく手伝うのだが、今中がやる分には、その嫌がるところも含めて満足そうに見る方に回ってしまうのが、彼女の徹底しているところだ。蟹江はしれっとパソコン画面を見ている。
「どうぞ」
「ありがとう」
 にっと世良が笑う。女性陣は、その表情を食い入るように見つめる。
「どうしたの?皆、飲まないの?美味しいよ」
「ホント、今中先生のお茶は美味しいですわねぇ!」
 角田が素早く、世良に追随する。
 そのとき、携帯が鳴り出した。世良が立ち上がり、何事かを呟きながら、足早に部屋を出て行く。角田は、その後姿を惚れ惚れと見つめた。佐竹や蟹江にしても、似たようなものだ。
「ごめん。昔馴染みからの電話で……」
 戻って来た世良の身体がふらりと傾いた。
 咄嗟に、今中が手を出す。
「あ……。ありがとう、今中先生……」
 世良は、今中に凭れたまま、額に軽く手を当てる。
「だっ、大丈夫ですの、院長先生?!」
 角田の声は、完全に上ずっていた。
「ちょっと疲れが溜まってるかな……。今中先生、ちょっと院長室まで一緒に来てくれない?」
 殆んど、自分で淹れたお茶も飲めていない今中は、溜め息を吐きながらも、世良の指示に従って、事務室を出た。
「大丈夫ですか?」
 廊下で尋ねた今中に、世良は喉を鳴らして笑う。
「ちょっとしたサービスだよ。こんなことで味方が増えるなら、利用しないとね」
「は?」
 振り返る世良の視線の先で、女性陣が何やら騒いでいる気配がある。
 しかし、今中にはさっぱり意味が分からない。あからさまに疑問符を浮かべる今中に、世良は上機嫌で笑った。
「まあ、気づいてないなら、知らない方が良いかも。今中先生が女性不信になっても困るしね」
 しかし、そんなことを言いながら、角を曲がったところで、世良は完全に固まった。
 じっと大きな目で世良を見つめる小柄な看護師――花房美和には、この院長は、とことん頭が上がらないらしい。
「み、美和ちゃん……」
「職場でその呼び方は止めてください」
 すっと背を向けられた瞬間の世良の表情といったら、どんな魔法を使えば、この傍若無人な院長を此処まで動揺させられるのか、是非ともご教授いただきたいと今中が思うくらいだ。
「花房さん、これは、その……」
「そうやって、味方を増やすのも、院長先生の大切な仕事ですものね。私は応援します。頑張ってください」
「だ、だから、僕は……」
 止められないと思った世良は実力行使に出た。歩き去ろうとした花房を後ろから抱き締める。
「やめてください!」
「やめないよ。僕が好きなのは、美和ちゃんだけだもの」
「世良先生……」
 今中は、そろそろとその場を後にし、事務室へ戻った。
「あら、今中先生。世良先生の具合は?」
 目ざとく、今中を見つけた角田が尋ねる。
「花房師長が付いていてくれるみたいだから、大丈夫です」
「あら、そうなの」
 あからさまにがっかりした雰囲気に、今中は、言ってはいけなかったかと不安になる。
「そういえば、花房師長は、あんまり一緒に話したりしてませんね」
 何とか話を逸らそうと聞いてから、更にしまったと思った。女性同士のデリケートな関係に突っ込むような話題を振ったことを後悔する。
「ああ、趣味の相違なんですよ」
 蟹江が小さく笑った。
「私達は2次創作好きだけど、花房師長は夢小説好きらしいんです」
「というか、まあ、リア充ですものね。私達のような腐女子とは違うわよねぇ」
 今中は混乱する。飛び交う専門用語が難解過ぎて、全く理解出来ない。
 しかし、先程の世良の言い方といい、何か良からぬ話に巻き込まれているような気がしたので、早々に医局へと逃げ出すことにした。


もし、極北市民病院女性陣が腐女子の集まりだったら、世良ちゃんは分かってて、ノリノリでサービスとかしてくれそう。今中先生は全く気づいてない。それを美和ちゃんに見咎められて…、とかそのまんま。
3が妄想部分だけになったので、1~3は全部、「萌えトーク+妄想」の2段構成にすれば良かったと今更後悔。計画性ないのが、バレバレ…(汗)
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