テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
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『速水、これは一体、どういうことだよ?!』
携帯の向こうで喚きたてる声に、速水はわざとらしく溜め息を吐いた。
「自分は、特に、怒られるようなことをした覚えはありませんが、世良先生?」
研修医時代と同じ、しれっとした言い様に、世良は一瞬絶句する。
『とぼけるな!桃倉センター長がこんなことする訳がない。お前の差し金に決まってるだろう』
「こんなことって?」
世良は一度口を噤み、『今中先生のことだよ』とぼそりと呟いた。
「今中先生がどうかしたんですか?」
『だから、とぼけるな!お前が追い返したんだろ、戻って来たぞ!』
速水は、そこで漸く堪えていた笑い声を吐き出した。
こんな動揺した世良の声、滅多に聞けるものじゃない。
「本人が戻りたいって言うんだから仕方ないじゃないですか」
『何言ってるんだよ、今中先生は救急で働きたいってずっと……』
「それ以上に、あんたを助けたいみたいですよ」
『なっ……?!』
速水は、完全に言葉を失っている世良に、溜め息混じりに言った。
「もう良いですか?大体、俺じゃなくて、本人と話せば済む話じゃありませんか?」
大方、本人には、呆れたような言葉を吐いて、さっさと逃げて来たのだろう。本当は、彼に戻って欲しいと思っていた癖に。
『救命センターは本当に、今中先生を返した訳じゃないんだね』
念を押す世良に、呆れたように言った。
「まさか、また戻すとか言い出すんじゃないでしょうね」
『今中先生の返答次第ではね。これじゃ、外部に示しがつかない』
速水は深々と息を吐いた。
「あんた、そんなに他人を近くに置くのが怖いんですか?」
『は?何言って……』
「高階さんだって、花房だって、垣谷さんも、北島さんも、黒ナマズすら、あんたのことを心配していた。それでも、あんたは、誰のことも見なかった振りをして、一人だけどんどん先に行く。毎日、ニュースで叩かれてるあんたの情報を集めている人間たちがどんな顔をしていたか、俺はずっと見てきた。今中先生も同じ顔をしていたよ」
『速水……』
「毎日、不安そうにどこぞの院長のニュースを探してる奴らなんて、救命には要らないんですよ。世良先生に熨斗つけてお返しします」
そう言って、速水は一方的に電話を切った。
受話器を押し付けながら、『毎日、不安そうにどこぞの院長のニュースを探してる奴ら』という言葉を思い返す。
世良は気づいただろうか?
速水は、そっとモニターの画面を操り、ナースステーションで新聞に目を落とす花房の姿を一瞬映し、直ぐに画面を切り替えた。
こんな風に出しときながら、美和ちゃん此処だけとか、腐っててごめんなさい。世良花も好きなんですけどね…。
世良ちゃんは、速水に対しては、あんまり強気なイメージがない。昔を知ってるだけに、と言いながら、彦根とは結構仲良しっぽく書いてるんだけど。そこはキャラの違いってことで。
速水は今世良で世良花推しだから。世良ちゃんに誑し込まれた人をいっぱい見てるので、何で皆、こんなにこの人に惹かれるんだろう、それなのに、本当に一人のことしか頭にないんだな、とか思って見てる感じ。あんまり速水自身はどうこう思ってなさそうだな、とか。ま、協力したり、背を押したりはしてあげてるから、嫌いではないんだろうけど。
携帯の向こうで喚きたてる声に、速水はわざとらしく溜め息を吐いた。
「自分は、特に、怒られるようなことをした覚えはありませんが、世良先生?」
研修医時代と同じ、しれっとした言い様に、世良は一瞬絶句する。
『とぼけるな!桃倉センター長がこんなことする訳がない。お前の差し金に決まってるだろう』
「こんなことって?」
世良は一度口を噤み、『今中先生のことだよ』とぼそりと呟いた。
「今中先生がどうかしたんですか?」
『だから、とぼけるな!お前が追い返したんだろ、戻って来たぞ!』
速水は、そこで漸く堪えていた笑い声を吐き出した。
こんな動揺した世良の声、滅多に聞けるものじゃない。
「本人が戻りたいって言うんだから仕方ないじゃないですか」
『何言ってるんだよ、今中先生は救急で働きたいってずっと……』
「それ以上に、あんたを助けたいみたいですよ」
『なっ……?!』
速水は、完全に言葉を失っている世良に、溜め息混じりに言った。
「もう良いですか?大体、俺じゃなくて、本人と話せば済む話じゃありませんか?」
大方、本人には、呆れたような言葉を吐いて、さっさと逃げて来たのだろう。本当は、彼に戻って欲しいと思っていた癖に。
『救命センターは本当に、今中先生を返した訳じゃないんだね』
念を押す世良に、呆れたように言った。
「まさか、また戻すとか言い出すんじゃないでしょうね」
『今中先生の返答次第ではね。これじゃ、外部に示しがつかない』
速水は深々と息を吐いた。
「あんた、そんなに他人を近くに置くのが怖いんですか?」
『は?何言って……』
「高階さんだって、花房だって、垣谷さんも、北島さんも、黒ナマズすら、あんたのことを心配していた。それでも、あんたは、誰のことも見なかった振りをして、一人だけどんどん先に行く。毎日、ニュースで叩かれてるあんたの情報を集めている人間たちがどんな顔をしていたか、俺はずっと見てきた。今中先生も同じ顔をしていたよ」
『速水……』
「毎日、不安そうにどこぞの院長のニュースを探してる奴らなんて、救命には要らないんですよ。世良先生に熨斗つけてお返しします」
そう言って、速水は一方的に電話を切った。
受話器を押し付けながら、『毎日、不安そうにどこぞの院長のニュースを探してる奴ら』という言葉を思い返す。
世良は気づいただろうか?
速水は、そっとモニターの画面を操り、ナースステーションで新聞に目を落とす花房の姿を一瞬映し、直ぐに画面を切り替えた。
こんな風に出しときながら、美和ちゃん此処だけとか、腐っててごめんなさい。世良花も好きなんですけどね…。
世良ちゃんは、速水に対しては、あんまり強気なイメージがない。昔を知ってるだけに、と言いながら、彦根とは結構仲良しっぽく書いてるんだけど。そこはキャラの違いってことで。
速水は今世良で世良花推しだから。世良ちゃんに誑し込まれた人をいっぱい見てるので、何で皆、こんなにこの人に惹かれるんだろう、それなのに、本当に一人のことしか頭にないんだな、とか思って見てる感じ。あんまり速水自身はどうこう思ってなさそうだな、とか。ま、協力したり、背を押したりはしてあげてるから、嫌いではないんだろうけど。
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