テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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いや、厳密には合作ではないんですけども。
「桜風呂」を読んでくださったなおさんが「世良ちゃんが天城先生にどきどきしてるのを悟られまいとしてるけど、もろバレなのを傍で見たい」って仰ってたので、「じゃあ…」と思って、やってみた次第。
なおさんが色々とネタを出してくださるのに、私の想像力がなかなか上手く働いてくれなくて、ホント申し訳ない…。(そして、全然見当違いのところに発揮されてるとか、どういうことだ?!)
「桜風呂」を読んでくださったなおさんが「世良ちゃんが天城先生にどきどきしてるのを悟られまいとしてるけど、もろバレなのを傍で見たい」って仰ってたので、「じゃあ…」と思って、やってみた次第。
なおさんが色々とネタを出してくださるのに、私の想像力がなかなか上手く働いてくれなくて、ホント申し訳ない…。(そして、全然見当違いのところに発揮されてるとか、どういうことだ?!)
「世良先生、天城先生がお呼びです」
同期の松本が入り口で言うなり、医局の一角で人影が跳ね上がったのが分かった。
影は隣に座る北島先生に一言二言交わし、軽いフットワークであっと言う間に消える。
「医局長サマは、また天城先生のお世話係だとさ」
その背に投げかけられる北島先生の、若干棘のある声は多分聞こえてないだろうな、と速水は処方箋を書きながら何となく思った。
赤煉瓦棟の教授へのお使いを済ませ、新病院に戻りながら、気晴らしに雨上がりの駐車場で遠回りをしていた速水の隣を薄緑色の車が通り過ぎて止まった。
車とゴルフが三度の飯より好き、という人種の犇めく大学病院の教授陣の中にあっても、群を抜いた派手さを備えた高級車だ、というのは貧乏研修医の速水にも分かる。
その運転席から、すらりとした長身が降り立った。
やや遅れて、助手席のドアが開く。
こちらはスマートとは縁遠い動きで、バタバタと運転手の元へと駆け寄って行く。
心臓外科専門病院創設という勅命を受け、モンテカルロから招聘された天城雪彦と、その唯一の部下・世良雅志だった。
よく見ると、世良の手の中には黒い白衣があり、ご丁寧にせっせと天城の腕に通している。
「カンファレンスまで後5分です、急いでください」
「そんなもの、遅れて行くくらいでちょうど良いさ」
「天城先生が良くても、俺が困るんです。一応、医局長なんですから」
二人の姿が近づくにつれ、会話が耳に入ってくる。
北島の『お世話係』という言葉がふと蘇った。
「見ろ、ジュノ。虹だ」
そんな世良の言葉などまるで意に介さず、不意に、天城が目を細めた。
思わず、速水も視線の先を追う。
やや傾きかけた日差しが煌き、植え込みに落ちる狭間に、ちょうど綺麗な虹がかかっていた。
天城は嬉しそうにそれを見つめている。
また、世良の怒る声がするのではないかと、何となく、そちらを見た速水は硬直してしまった。
世良は呆けたような顔になっていた。
その視線の先が虹ならば、天城のペースに巻き込まれてしまったということだが、それなら、まだ良い。選りにも選って、天城の横顔に注がれ、うっとりと見蕩れているのを目の当たりにしてしまった速水は柄にもなくうろたえた。恐らく、当人達も気づいていないに違いない。
「良いものを見られたな」
「あ……。あ、はい……!」
満足したように天城が振り返って、漸く時間が動き出した。
世良は弾かれたように、直立不動になる。
数秒前の自分の様を自覚したのか、真っ赤になっていた。
「じゃなくて、早く行きますよ……!」
先に立って歩き出そうとした世良の目線が、何となく居た堪れなくなって遠ざかろうとしていた速水に合う。
「速水、そこで何してるんだ!さっさと医局に戻れ!!」
厳しい声に、一瞬、照れ隠しかと思ったが、その表情に浮かぶ、問題児を見るときのうんざりとした色に、何だかむっとした。
天城に対しては、小姓宜しく、甲斐甲斐しく世話を焼きまくり、甘やかしまくりの癖に、この態度の差は何なんだ、と思えてならない速水は、足早に二人の元へとルートを変えた。
急速に距離を詰める速水に、世良はぎょっとしたような顔を見せる。
「さっき、見蕩れてた、でしょう」
何に、とは言わず、辛うじて、世良の耳に届くくらいの声で呟くと、世良の頬にかっと朱が上った。どうやら、自覚はあるらしい。
ちらりと天城を見ると、何が可笑しいのか、頬を緩めて二人を見ていた。いつもながら、この人の考えは全く読めないな、と断じた速水は、もう一つ爆弾を落とした。
「気をつけないと、駄々漏れですよ」
気づかれたくないんでしょう、と付け加え、密かに溜飲を下げながら、軽い足取りで医局への帰路を踏み出した。
「何を言われたんだ、ジュノ?」
なんて、後方で広がる波紋の行方を想像して、ほくそ笑みながら――
「速水」のところに自分の名前を入れて、天ジュノの傍観者になれる夢小説(笑)実は、コムリバのときに本当にやったことあります。ホント、下らないことするの好きだな。
伝説手前で「世良先生うるさい」って言ってる速水は、あのデレデレ世良ちゃん(対天城先生ver.)にちょっとむっとしてたら良いと思うんだ。
同期の松本が入り口で言うなり、医局の一角で人影が跳ね上がったのが分かった。
影は隣に座る北島先生に一言二言交わし、軽いフットワークであっと言う間に消える。
「医局長サマは、また天城先生のお世話係だとさ」
その背に投げかけられる北島先生の、若干棘のある声は多分聞こえてないだろうな、と速水は処方箋を書きながら何となく思った。
赤煉瓦棟の教授へのお使いを済ませ、新病院に戻りながら、気晴らしに雨上がりの駐車場で遠回りをしていた速水の隣を薄緑色の車が通り過ぎて止まった。
車とゴルフが三度の飯より好き、という人種の犇めく大学病院の教授陣の中にあっても、群を抜いた派手さを備えた高級車だ、というのは貧乏研修医の速水にも分かる。
その運転席から、すらりとした長身が降り立った。
やや遅れて、助手席のドアが開く。
こちらはスマートとは縁遠い動きで、バタバタと運転手の元へと駆け寄って行く。
心臓外科専門病院創設という勅命を受け、モンテカルロから招聘された天城雪彦と、その唯一の部下・世良雅志だった。
よく見ると、世良の手の中には黒い白衣があり、ご丁寧にせっせと天城の腕に通している。
「カンファレンスまで後5分です、急いでください」
「そんなもの、遅れて行くくらいでちょうど良いさ」
「天城先生が良くても、俺が困るんです。一応、医局長なんですから」
二人の姿が近づくにつれ、会話が耳に入ってくる。
北島の『お世話係』という言葉がふと蘇った。
「見ろ、ジュノ。虹だ」
そんな世良の言葉などまるで意に介さず、不意に、天城が目を細めた。
思わず、速水も視線の先を追う。
やや傾きかけた日差しが煌き、植え込みに落ちる狭間に、ちょうど綺麗な虹がかかっていた。
天城は嬉しそうにそれを見つめている。
また、世良の怒る声がするのではないかと、何となく、そちらを見た速水は硬直してしまった。
世良は呆けたような顔になっていた。
その視線の先が虹ならば、天城のペースに巻き込まれてしまったということだが、それなら、まだ良い。選りにも選って、天城の横顔に注がれ、うっとりと見蕩れているのを目の当たりにしてしまった速水は柄にもなくうろたえた。恐らく、当人達も気づいていないに違いない。
「良いものを見られたな」
「あ……。あ、はい……!」
満足したように天城が振り返って、漸く時間が動き出した。
世良は弾かれたように、直立不動になる。
数秒前の自分の様を自覚したのか、真っ赤になっていた。
「じゃなくて、早く行きますよ……!」
先に立って歩き出そうとした世良の目線が、何となく居た堪れなくなって遠ざかろうとしていた速水に合う。
「速水、そこで何してるんだ!さっさと医局に戻れ!!」
厳しい声に、一瞬、照れ隠しかと思ったが、その表情に浮かぶ、問題児を見るときのうんざりとした色に、何だかむっとした。
天城に対しては、小姓宜しく、甲斐甲斐しく世話を焼きまくり、甘やかしまくりの癖に、この態度の差は何なんだ、と思えてならない速水は、足早に二人の元へとルートを変えた。
急速に距離を詰める速水に、世良はぎょっとしたような顔を見せる。
「さっき、見蕩れてた、でしょう」
何に、とは言わず、辛うじて、世良の耳に届くくらいの声で呟くと、世良の頬にかっと朱が上った。どうやら、自覚はあるらしい。
ちらりと天城を見ると、何が可笑しいのか、頬を緩めて二人を見ていた。いつもながら、この人の考えは全く読めないな、と断じた速水は、もう一つ爆弾を落とした。
「気をつけないと、駄々漏れですよ」
気づかれたくないんでしょう、と付け加え、密かに溜飲を下げながら、軽い足取りで医局への帰路を踏み出した。
「何を言われたんだ、ジュノ?」
なんて、後方で広がる波紋の行方を想像して、ほくそ笑みながら――
「速水」のところに自分の名前を入れて、天ジュノの傍観者になれる夢小説(笑)実は、コムリバのときに本当にやったことあります。ホント、下らないことするの好きだな。
伝説手前で「世良先生うるさい」って言ってる速水は、あのデレデレ世良ちゃん(対天城先生ver.)にちょっとむっとしてたら良いと思うんだ。
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