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テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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盆休み中、せとかちゃんとキスの部位別意味で盛り上がりまして。今世良なら、こんな感じでしょうかねぇ、という妄想。

拍手[5回]



「うーん……」
 薄い壁の向こうではシャワーの音が間断なく響いている。この音が止まれば、仕事上の上司でありながら、プライベートでは恋人でもある人が、髪の水気を拭き取りながら、意味ありげな目配せを投げてくるに違いない。
「このままで良い……のかなぁ……」
 襲撃、という言葉が相応しいような世良の訪問は、何時しか成りを潜めた。
 現れるのは、翌日が休診日の土曜の夜。時間帯も、今中が夕食を済ませ、シャワーを浴びた後の10時くらい。
 アブノーマルなプレイを強要されることもなくなり、ふらりと居なくなりそうな言動も殆んどない。
 それどころか、今中に主導権を任せてくれることも多くなり、素直に快感を現してくれるようにもなった。
 まるで、普通の恋人同士だ。
 実際、世良の年を考えれば、こんな十分過ぎるくらいの性生活を営めるなんて、非常に結構なことだと思う。
 しかし、最近、今中の中では、これで良いのかという思いが膨れ上がってきていた。
 何処かしら軸がブレたような世良との交際期間が長過ぎて、どうにも居心地が悪い。
 このままで良いのか、という思いが拭えない。そもそも、マンネリ化している、というのは、一般的に考えても芳しいことではない気がする。
 ――という訳で、巨体の太い指で、ちまちま携帯をいじっている。
 世の中の人々の、性への興味と執着は凄いものだ。
 所謂、大人のオモチャ、或いは、気持ち良くなるクスリ――胡散臭いアオリ文句が踊り、とても鵜呑みに出来ない体験談が入り乱れる。
 経験のなさを物で補おうとしてみたが、自分の思惑の浅はかさを思い知らされた。
 そもそも、識別できるだけの知識がないし、こんな怪しいものを大事な人に使いたくない。
 それでも、往生際悪く、少しでも刺激的なプレイがないかと探す。大袈裟に芝居がかったものでなく、クサ過ぎて恥ずかしいものでなく、体力的に無理のあるものでなく――
 ふと、ある記事に目が止まった。
『キスには部位によって意味がある』
 考えたこともなかった。
 そもそも、唇以外のキスなんてしたことあったっけ?――思いながら、クリックする。
 納得できるものも、意外なものもあった。
 中には、そんな場所に、というような部位まである。
「ちょっと、Mっぽいけど……」
 意外とあの人は、こういうことされるのは好きかも知れない。
 そう思って顔を上げたところで、「携帯見てるの?珍しいね」と覗き込もうとする世良を、一頻り誤魔化す必要が生じた。


 舌を絡ませ合い、押し倒せば、いつもの流れ。申し訳程度に着てきた下着を自ら取り去り、今中を呼ぶ声。この愛しい人を、心から悦ばせて満足させたいと心底思う。
 今中は、身体を起こして、世良の片足を持った。いつもと違う手順に、世良が驚いたようにこちらを見る。
 しかし、抵抗はなかったので、そのまま顔を近づけた。
 適度に張り巡らされた筋肉、疎らに見える脛毛。
 そして、そこかしこに古い傷跡が幾つも見えた。
 一瞬、ぎょっとしたが、昔サッカーをしていたことがあったと言っていたから、そのときのものだろうと納得する。
 世良が極北に来てから、割と近くに居たつもりだったが、意外と知らないこともあるものだ。
 『脛に傷を持つ』といえば、人には言えない過去を持っているといったような意味があったと思う。再建請負人として歩んできた道や、故郷に桜を植えようとした人の物語の詳しくを今中は知らない。それらの過去も、傷のようにこの人の中にくっきりと残っているのだろうか。
 癒せるとは思えない。
 けれど、自然に、今中はそこに唇を落としていた。
 最も大きな、縫合の跡まで分かる傷の縁を丁寧に舌でなぞる。感覚はあるのか、世良が少し背を丸めて、小さな呻き声を漏らした。
 ――感じてくれてるのか……。
 今中は嬉しくなる。
 ――貴方のために出来ることなら、何だってします。だから、どうか、隣に居させてください。
 願いを込めて、幾度も唇を押し付けた。
「脛へのキスってさ、『服従』の意味があるんだよね」
 見れば、腕を付き、上半身を起こした世良が居た。
「知ってたんですか?」
 知る人ぞ知る雑学かと思いきや、意外と常識的な知識なのだろうか?
「ああ。昔、ちょっとね」
 世良はさらりとかわした。
「むしろ、今中先生が分かっててやってたことに吃驚したよ。何、そういう趣味なの?お望みなら、ちょっと踏んであげようか?」
「結構です!」
 対応を間違うと、本気にして妙なことをされかねない。
 今中は全力で否定した。
「たまには、ちょっと違う方向でやってみようかな、と思っただけです……」
 いまいちだったかなぁ、と後悔する。
 すっかり、雰囲気も色っぽいものから普段の遣り取りに戻っている。これだったら、いつも通りにしておいた方が良かったかも知れない。世良は、くくっと笑い声を立てた。
「今中先生が『服従』ねぇ。イメージプレイにしても、軍人とか信者っていうにはちょっと雰囲気がかけ離れてるっていうか……」
 要するに、似合わないと言いたいのだろう。
 そんなこと、今中だって百も承知だ。
 だから、余りにアレなものは除外したし、このくらいなら、まあ、許されるかな、とか思ってみた訳だけど……。
 腹を抱えて笑う世良を見ていると、大失敗だったことだけは間違いないようだ。
「……もう良いです……」
 不貞寝に入ろうとした今中の懐に、突然、世良が飛び込んだ。
 驚く間もなく、顎を掴んで顔を上向けられる。
 そして、その首筋に世良が顔を埋めた。
 余りの勢いに、噛み付かれたのかと思った。
 喉の脇、傷つければ急所となるその場所に、世良は強く唇を押し付け、そのまま吸い付いた。


 本当に久し振りに、世良の主導でコトが進み、散々振り回され、付き合わされて、やっぱり普通で良い……、などと思った翌朝、昨日の閲覧ページの残っていた携帯を見て、今中が硬直したのは、世良が帰った後だった。


今中→世良で脛にキス(服従)と、世良→今中で首筋にキス(執着)でした(笑)今中→世良は、単語としては「忠誠」とかのが近いかもしれないけど、容赦ない世良様イメージならこれも有りかな、と。
あと、脛という単語で、以前書いた、なおさん原案の古傷ネタ思い出して、また要素入れちゃいました。古傷の本来(?)の使い方ですね。
世良→今中はもう…、実はこうだったら良いねって私の願望以外の何物でも…(笑)多分、首筋が執着ってのは、そこにつけるキスマークとかから来てるんだろうけど、私は、急所噛み千切りそうな動作が萌えポイントですvvvでも、がっつりキスマーク付けられて、文句言ったら、「言うこときかない彼女に困ってるんです、とでも言っとけばー」とか返されるのもいいね(大体合ってる/笑)
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