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テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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まあ、タイトルの通りなんですが、ちょっと逆っぽい雰囲気もあるので、駄目な方はお気をつけ下さい。私自身が逆もリバも全然平気な人で、駄目な方にとって何処が地雷になるのかがさっぱり分からないので、上手く説明できないのですが、先生見てムラムラきちゃうような世良ちゃんが無理な方は止めてください…。

拍手[4回]



「先生、大丈夫ですか?」
 世良は、ロッカーに放り込みっ放しだった、自分のウィンドブレーカーを天城の背にかけた。
 くすんだ色の安物で、美的センスがどうのと文句の一つも食らいそうな代物なのに、ぎゅうっと前を合わせて大人しく着こんでいるところを見ると、相当重症な気がしてくる。
「寒い……」
「もう少しですから、我慢してください」
 世良の手の中で、ヴェルデ・モトのキーがちゃり、と音を立てた。
 ――大体、あのお気に入りの車を俺に任せるって言い出してる時点で不味いよなぁ……。
「ジュノ……」
 寄りかかられ、世良の足元がふらつく。しかし、まさか、諸共に倒れる訳にはいかないので、懸命に踏ん張り、何とか天城を支えながら部屋へと向かった。
「ふらふらする……」
 マンションの地下駐車場から部屋までがエレベーター1本というのがまだ救いだ。
「凄い熱があるんだから仕方ないです。だから、ちゃんと服を着て寝た方が良いって言ったのに……」
 溜め息混じりに言うと、天城は大袈裟に眉間を押さえた。
「小言は止めろ、ジュノ。頭ががんがんするんだ」
 さっきまで頭痛なんて訴えてなかったのに、随分都合の良い症状だ。
「朝から休んで寝てれば良かったのに……」
「そうしたら、ジュノは私をおいて出勤しただろう」
 そう言われても、自分の体調が悪い訳でなし、サボる訳にもいかない。
「結局、先生が無理矢理半休にしたじゃないですか!」
 午前中ずっと、青ざめた顔で旧教授室に横たわるところに付き合わせた挙句、一方的に世良の午後からの休みをもぎ取るなり、この有様だ。
「ジュノのデューティだよ。私の風邪が治らなかったら、ジュノだって困るだろう」
 全く、ああ言えばこう言う――
「治らない訳ないでしょう!良い大人が何言ってるんですか?!」
 そりゃあ、まあ、ちょっとは心配だけど。
 何せ、この人、自分と会う前はどうして居たのかと思うほど生活力がない。
「ほら、着きましたよ」
「ベッドは何処だ……?」
「ちゃんと靴脱いで下さい!此処はモンテカルロじゃないんですよ」
「靴は何処だ……?」
 とても埒が明かないので、無理矢理座らせて引き剥がすように脱がせる。痛いと文句を言われたが、容赦なく無視した。
「ジュノ、もっと優しく……」
 引きずるように無駄に広いリビングを横切る。
 耳元で苦しげに呻かれたが、それも黙殺した。自分より上背のある人間を移動させるのがどれ程大変だと思ってるんだ、と内心で一人語ちる。
「はい、ベッドですよ」
 寝室に入るなり、思いっきり身体を押し遣る。
「ちょっと寝ててください。北島が俺の名前で処方してくれた薬を用意しますから」
 ベッドのスプリングがその全身をふわりと受け止めたのを確認して、世良は背中に聞こえる、不満と懇願の入り混じった声を受けながら部屋を出た。
「とりあえず、薬と水、か」
 コップに水道水を注ぎ、丸めて後ろポケットに突っ込んだ袋から頓服薬と総合風邪薬を1錠ずつ取り出す。
 寝室に戻ると、天城は戻ったときの姿のまま、布団の上で丸くなっている。
 本当に手のかかる人だ。世良は、ブレーカーを脱がせにかかった。
「そんなの着たままじゃ休めないでしょう。ほら、脱いでください」
「脱ぐと、寒い」
「今布団かけますから、寒くないです」
 子守をしているような気分で、序でに、首のボタンを一つ外し、ベルトも取ってやる。
 本当は着替えさせたいところだが、この調子では、酷い力仕事になることが目に見えていたので断念した。上質の生地が汗に濡れたり皺になったりしそうだが、後でクリーニングにでも出すだろうと考えないことにする。
「はい、これで良いです。後は……」
「うー……、ジュノ……」
 はぁっと熱い吐息が手の甲にかかって、何だか背中がぞくりとした。
 見れば、高めの枕に頭を押し付けた天城が、頬に熱を上らせ、苦しげな呼吸を繰り返している。
 潤んだ瞳が頼りなげに揺れながら世良を見上げて、視線が絡み合う。
「先、生……」
 ずくん、と下半身が疼く。
 無性に触れたくて堪らなくなった。
 この人は今きっと、熱の所為で自分の魅力も、色香を漏らし過ぎなのも気づいてないのだ。
「薬、です……」
「ん……、ジュノ……」
 世良は薬を口に含み、そのままコップを傾けて、天城の唇に吸い付いた。
 薬ごと水分を流し込み、舌で押し遣ると、その喉がごくんと動く。
「……んんんっ……」
 それでも足りずに、舌を動かし貪る。
 口内を嘗め回し、求め続けた。
「……ぁ……っ……」
 呼吸が出来ずに苦しいのか、天城が小さく身を捩って、漸く世良は唇を離した。名残惜しくて、間近い位置で濡れた唇を見つめていたら、それが微かに震えた。
 聞き取ろうと耳を寄せる。
「喉が……いがいが、する……」
 そこも舐めて欲しいと言うように、気持ち口を開き、舌を覗かせる。
 どくりと全身が脈打つ。これは絶対確信犯だろうと思う。吸い寄せられかけたが、ふと頭を掠めるものがあって、世良は乱暴に、手にしたウィンドブレーカーのポケットを弄った。
「昨日、医局で貰ったのど飴です。欲しいですか?」
「ん……、ジュノも一緒に……」
 やっぱり分かってるんじゃないか、と思ったが、誘うように蠢く舌先に抗えなかった。
 世良は個包装の袋を破り握り締めると、飴を舌先に載せ、ひっきりなしに荒い呼気の出入りする繊細な部分に飛びついた。
 自分の口の中で飴を転がしていると、早くしろとばかりに柔らかいものがねだってくる。入り込んできた舌は熱の所為か、いつもよりずっと熱くて触れ合った場所から蕩けそうだ。
「甘、い……」
 自分で飴を攫っておいて、角度を変えようと僅かに唇が離れた隙にそんな苦情を言う。
 いちいち耳も貸してられないので、さっさと塞いで言葉を封じる。だが、確かに、幾度となく触れてきた彼の口内がこんなに甘いのは珍しい気がした。
 序でに、飴を追いかけて口付けの甘さ諸共味わう。
「ジュノ……」
 離れがたくて、何度も何度も重ね続けたが、小さくなった飴の欠片が彼の喉に落ちる頃、世良はすっかり重くなった腰を漸く上げた。
 嫌だというように、天城の指が世良の腕に絡む。
 その力が余りにも儚くて、妙に世良を現実に引き戻した。
「何か買って直ぐ戻りますから、我慢してください」
「出かけるなんて、駄目だ」
 そう言われても、多少何かを胃に入れない訳にはいかない。
 しかも、残念ながら、この部屋には食材に関しては殆んど期待出来ない。
 しかし、天城は頑として譲らない。
 そして、世良は性分的にその制止を振り切れない。
「じゃあ、ちょっと冷蔵庫見てきます。それなら良いでしょう?」
「キッチンだけだぞ。1分で戻れ」
 はいはいと答えながら、廊下に逃れる。
 我が儘なのは今に始まったことではないが、この調子じゃ買い物についてくると言い出しかねない。
 世良は頭を抱えながら、冷蔵庫を開けた。とても単身者のものには見えないそれはがらんとして、奥まで見渡せてしまう。
 ドア側を見ると、シャンパンが2本冷えていた。その間に牛乳パックを見つけて、もうこれでも仕方ないかな、と思う。蜂蜜なんて気の利いたものがあるとも思えないから、砂糖でも入れよう。
 逆に、ブランデーか何かならあるかも知れないと探していたら、備え付けの電話がけたたましく鳴り出した。
「はい」
『時間だぞ、ジュノ!何してるんだ?!』
 良いだろうかと思いながら受話器を取ると、不機嫌な天城の声が響く。どうやら、内線か何かを使ってかけているようだ。
「今、牛乳あっためますから、ちょっと待ってください」
『そんなの要らないから、早く戻れ』
「駄目です!ちゃんと栄養取らないと」
 早く、もうちょっと、を繰り返し、時間を稼ぎながら、世良は牛乳を電子レンジで温めた。少々温いが、この際、冷たくなければ良いことにする。
 寝室に戻ると、ベッドからはみ出した天城がサイドテーブルの電話に腕を伸ばしていた。
 これ以上、引き伸ばしたら、絶対に起きてきた、と世良は胸を撫で下ろす。
「ほら、先生。今からちゃんと居ますから。身体が冷えます。ベッドに戻ってください」
 一先ずカップを置いて促すと、天城は苦しげな息を漏らして、のろのろと動く。身体を起こすだけでも辛いのだろうに無茶をする。
「大丈夫ですか?」
 肩を支えると、薄いシャツごしにいつもよりずっと高い体温が伝わってきて、何だか妙に彼の身体を意識してしまった。
「あ、寝ないで下さい。これ飲んでから……」
「さっきのが良い……」
 ――さっきの……。
 熱くぬめるような、剥き出しの粘膜の感触が思い出されて、ぎくりとする。
 あんなの看病でも何でもない。欲望のままに、彼を貪っただけだ。
「ジュノ」
 熱い指先がマグカップを持つ世良の手に重なる。上目遣いで向けられる瞳の中に浮かぶ色は、弱っているが、確かに欲の片鱗を覗かせている。
 ――仕方ない。俺がこの人に逆らえる訳ないんだから……。
 無意味な言い訳を呟き、ミルクを一口含むと、世良は枕に片腕を付いて体重をかける。
 いざなうように、天城が少し顎を上げ、目を瞑る。
 移して直ぐ離れようとしたが、天城の指がいきなり後ろ頭を押さえた。
 ――しょうがないよな。動けないんだから……。
 世良は舌を伸ばす。動こうとしない天城をその気にさせようと懸命に、感じる場所を探り当てる。
 不意に、天城が応じる。
 夢中で舌を絡め合う世良は、何時しか、その後頭部の手が退いたことにも気づかずに彼と触れ合い続けた。


「嘘でしょう?!あんな、いい加減な休み方で……」
 ベッド脇にスツールを置いて付いているつもりだったが、天城が隣で寝ろと言うので、結局一緒に寝てしまった世良は、自分にくっついている天城の体温に茫然としていた。
「年齢を考えても、一晩であの高熱が下がるなんて有り得ない……」
「何気に失礼なことを言ってるな」
 言いながら、世良の額に手を当てる。
「ジュノこそ、随分情熱的だったが、感染ってないのか?」
 それを聞いて、先ほどまで至って正常だった体温が確実に2度は上がった。昨日の自分は確実におかしかったし、どうかしていた。選りにも選って、病人にあんなこと――
「あ、あれは……、先生がしろって言うから……」
「そうだったか?最初のキスはジュノからじゃなかったか……?」
 天城は頻りに首を捻っている。
「そうですよ!病人にそんなことする訳ないでしょう……!」
 天城の意識が朦朧としていたのを良いことに言い張ってみる。
「そうだな、ジュノも医者だしな」
「そうですよ!医者なんですから……!」
 自分でいった言葉が突き刺さる。
 ――俺、医者としても、人間としても最低かも……。
「だが、実際治ったし、ジュノの看病が良かったんだな」
 天城の褒め言葉も結構ちくちく来る。
「折角治ったんですから、大事にしてくださいね……」
 自己嫌悪の真っ只中で呟いたら、抱き込まれてキスされた。
「キスだけでお預けされて辛かっただろう。もう、我慢しなくて良いぞ、ジュノ」
「や……。でも、それは、その……」
 勿論、その通りだし、そこから先は鉄の自制心で我慢したが、けれど、だからといって、まだ病み上がりだし、こんなに反省しているのに、ほいほいとその言葉に乗るなんて――
「いっぱいご褒美をやろう。どうして欲しい?」
「……あんまり、無理しないで下さいね」
「ビアン・シュール」
 昨日より幾分体温の下がった腕が、昨日より遥かに強い力で世良に絡む。
 ――仕方ない。俺がこの人に逆らえる訳ないんだから……。
 昨日と同じ、無意味な言い訳を繰り返しながら、世良は天城の服に手をかけ、彼の熱の中心に唇を寄せた。


この時期の王道・CPのどっちかが風邪ひいて、もう片方が看病するネタでした。
体調悪くていつもより面倒くさくなる天城先生と、それに引き摺られて甲斐甲斐しくなる世良ちゃん(でも、基本雑w)
具合悪い先生は絶対壮絶に色っぽいと思うんですよ。んで、至って健康体な世良ちゃんが我慢できずに手出しちゃっても可愛いし、そんな堪え性のない自分に自己嫌悪させたい!とか思ったら、何かせらまぎ臭がしてきて、私だけが楽しい何かになってしまった感が半端ない…。
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