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原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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「検査の日程も聞き出せなかった、って?これじゃあ、ガキの使いにもなってないぞ」
赤煉瓦棟の旧教授室にて、ソファから向けられた冷ややかな視線と言葉に、世良はしゅんとなる。
予想はしていたが、それがはっきり現実のものになると、酷く落ち込むものだ。
「私が行かなくてはならない訳か。全く、面倒だ。ジュノ、責任を取れ」
「せ、責任……?」
「何ヶ月、私の近くに居るんだ?私の望んでいることが分からないのか?」
――そう言われても……。
こんな、突拍子もない発想のわがままサージョンの望みなんて、100年傍に居たって分かる自信はないが、まさか、そんなことを言える訳もない。
「申し訳ありません。でも、天城先生が望みを仰ってくださったら、出来るだけ努力します」
仕方がないので、しおらしく伺いを立ててみる。
「私の望み、か……。そうだな――お仕置きをしようか」
「は?!」
――明らかに今、考えたよな!っていうか、何だ、その凄く嫌な予感しか喚起させない言葉は?!
「ジュノは忠犬気質だからな。きちんと身体に躾けてやらないと、また同じことをしかねない」
「だからって……」
しゅるりと天城が細身のネクタイを外す。
「来なさい、ジュノ」
――ああ、何でこうなるんだ……。
しかし、自分が天城の言葉に全く逆らえないことを、世良は良く分かっていた。
天城に歩み寄った世良は、両腕をネクタイで後ろ手に縛られ、愕然とする。天城は慣れた様子で、世良のベルトを外し、スラックスの前を寛げる。
「ちょ……、こんなところで……!」
抵抗しようとしたが、縛られた腕は動かず、手首にネクタイが食い込む痛みに、世良は顔を顰めた。天城は、じわじわと反応を始めた世良自身を指先で弄んでいたが、不意に、口に含んだ。口内の生温かさと柔らかい感触に、世良の腰が跳ねる。
「ああっ……、駄目です……!」
丁寧に裏筋を辿られて、膝が震える。
立っていられなくなりそうだが、それを腕の動きで訴えることも出来ず、酷く辛い。
「あ……まぎ、せん……、座らせて……くだ……」
「嫌がっている割に、随分、感じているようだな」
唇を離した天城にじっと見つめられ、世良は真っ赤になる。昼間から職場であっさり快感に流されてしまう自分が情けない。
天城が着衣に僅かな乱れもないまま平然としているのに、自分はすっかり息が上がって、あられもない姿で腰も立たない状態なのだ。
「座りなさい、ジュノ」
命じられ、世良はよろよろと座る。
「私が戻ってくるまで、良い子で待っているんだよ」
そんなことを言われて、頬にキスされても、彼が何を考えているのか、さっぱり分からない。
世良は欲を湛えた目に疑問を浮かべて、天城を見上げる。
「江尻教授が居るうちに、上杉会長の検査の日程を確認しなくてはならないだろう?」
優しく髪を撫でられ、そこで漸く、『お仕置き』という言葉と、自分が何をされるのかということがはっきりした。
「天城先生、待ってくださ……」
こんなところで放置されては堪らない。しかも、こんな、両の手すら自由に使えない状態で。
「言われたことがきちんと出来ない子は苦しい思いをするんだ。良く覚えておくように」
にっこり笑った天城は、世良の上に、ばさりと自分の黒い白衣を投げる。
「では、ジュノ。アトゥタルゥ(また後ほど)」
ぱたりとドアが閉まり、世良は青ざめた。このショックで収まってくれないものかと願ってみたが、凭れたソファから見える天井が行為の最中を彷彿とさせ、却って煽られる有様だ。
懸命に太腿を擦り付けてみたが、刺激が足りず、どうにかうつ伏せになってみる。反動でするりと滑り落ちた白衣すら拾えず、溜め息が出た。
早く、早く戻って。そして――あの、綺麗な長い指先で、赤く艶を纏った唇で、触れて欲しい。
長時間の勃ちっ放し状態の所為で痛みすら感じられ始めて、涙が滲む。
「天城……せんせぇ……」
「ただいま、ジュノ」
待ち侘びた声に、世良は筋力だけで身体を起こした。
「良い子で留守番をしていたか?」
抱き締められるのももどかしく、身体を押し付ける。
「大胆だな。して、欲しいのか?」
ちゅ、と音を立ててキスしながら言うのに、世良は何度も頷いた。
先走りでべとべとになった先端が撫でられ、世良はほう、と息を吐く。
続く刺激を期待したとき、天城の指が後口に触れた。予想していなかった場所への接触に、世良はびくりと震える。
「天城、先生……?」
つぷりと入り口が割られた。
「頑張ったジュノに沢山ご褒美をあげよう」
「いや、ですっ……!一回、抜かせて……!もう、くるしっ……」
懸命に身体を捩って抵抗したが、腕も自由にならない状態で、そんなことが叶う訳もなく、結局、天城に組み伏せられた。
体内を這い回る指が酷くじれったい。
わざと、最奥に当てずに焦らしているのが分かる。
「分かりましたから、早く……!」
完全に半泣きだった。
「素直で宜しい。お仕置きの甲斐があったかな」
こんな寸止め状態で逆らえる人間が居たら、そいつはただの不感症だ。思わず天城を睨んだが、ご機嫌な表情で受け流され、むかついたので、こっちから唇にむしゃぶりついてやった。仕返しのように口内を犯され、背がソファの背凭れに押し付けられる。胸に付きそうな程に膝を持ち上げられ、身体を貫かれた。
「う……。あ……、ああ……っ!」
激しい衝撃に、白濁が飛び散った。
「ジュノ、服が汚れたんだが」
堪らずに達してしまった世良に見せ付けるように、自らのスーツを目の前に曝す。
「すみませ……っ、あっ、あああ……!!」
謝りかけたところに乱暴な律動を受け、世良は声を上げた。
「まだ、無理!無理です……!お願いですから、ちょっと待って、くださ……」
必死の訴えをあっさり無視し、天城は世良の最奥を抉る。
「いけない子には身体で分からせるだけだ」
「やだ、つら……!ごめんなさい!ごめんなさい!!」
「良い子だね、ジュノ」
天城が荒い吐息混じりに囁く。
世良は未だ自由にならない指先で、ソファに爪を立て、声を限りに喘いで、強過ぎる快感に抗う。
そうして泣いていると、次第にその波は世良をとっぷりと飲み込み、もみくちゃにして、その果てで、弾けた意識と共に世良を手放した。
赤い痕の残る手首を見て、溜め息を吐きながら、ソファ一帯と体内の後始末を済ませ、嗄れ気味の声と腰の痛みに若干落ち込みながら、世良は身支度を整える。
「ジュノは良い子だな」
既にさっぱりと着替えを済ませ、ソファで寛いでいた天城がぽつりと言った。
「はあ……」
情事の間ならともかく、すっかり素面に戻っているときに、脈絡なくそんなことを言われても、何とも答えようがない。世良は曖昧に返事をする。
「こうしていつも、私の傍に居てくれる」
一瞬、嫌味か、含みがあるのかと、その顔をまじまじと見たが、そこに見えたのは、何時もの、無邪気で綺麗な顔だった。
――……本当に、性質の悪い人だ……。
世良は、一段と大きな溜め息を吐く。天城は事ある毎に、世良のことを『忠犬』というが、どうやら自分には多分にその気があるらしい、と痛感した。
「何か、飲み物でも買ってきますよ」
こうして、またも、扱い易い『忠犬』っぷりを発揮してしまう。
「そうだな……。では、エビアンを買ってきてくれ」
――エビアンって、新病院の売店にしかないじゃないか……!
近場の自販機で済ませようと思っていた世良は、遠慮の欠片もない天城のオーダーにがっくりと肩を落とす。普段ならともかく、今、この人の所為で、ものすごーく身体が重かったりするのだけども……。
「どうした、ジュノ?買ってきてくれるんだろう」
そんなことを考えて逡巡する世良を不思議そうに見ながら尋ねる天城は、紛れもなく、天然で言っている。
「買ってきます」
その言葉を受けて満面の笑みになった天城を見て、世良は旧教授室を出る。
廊下を歩きながら、時々は、愛玩犬になった振りをして、ご褒美をねだって良いだろうか、なんてことに思いを巡らせた。
天城先生の台詞が、BL小説の攻のテンプレみたいなものばっかりで、笑い堪えながら書いてました(オイ)
久し振りにがっつりエロ書いたなぁ。まあ、夏だし!
暴君だけど天然で浮世離れした天城先生と、ツンツン受け流しながら結局天城先生を放っておけない世良ちゃんが堪りません。
何度読んでも、「チワワみたいな愛玩犬」発言には戦慄が走りますwww