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テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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去年は、本当に世良ちゃん一色な年だったなぁ、という印象です。
自分ではドラマ中心にサイド的に、と思っていたのですが、気が付いたら、どんどん重心がこっちに移って、後半なんて、完全に世良ちゃんしか書いてなかったっていう…。
正直、極ラプ読んだ時点では、まさか此処までハマるとは思わなかったなぁ。ジュノはともかく、院長って萌えからはちょっと遠い感じするじゃないですか。
でも、変わったところと変わらないところ、天城先生への思いとその裏側の後悔や恨み、社会を変えようとする意思と自分の周りの想いにすら気づけない弱さ――相反する複雑な属性が何とも心を掴んで離さない人なんだよなぁって。
あと、こっちは何度も書いてますけど、実質二人のキャラを書いてるんじゃないかってくらい20代と40代が別人な上に、その間の20年の妄想の余白がありまくり、しかも、各時代に、相当に深く影響を受け合う人が居る――私の、人物を掘り下げたい欲求に物凄くハマる人なんだろうな、と。
私、極ラプって実はそんなに面白い本だと思ってなくて(桜宮のお勧めは、やはり黄本・橙本辺りかなー派。スリジエは萌え視点抜きでも完璧な名作だとは思うけど)、1回読んだ後、「んー?」ってなったんですよ。何かいまいちまとまりがない、院長が何したいのか分からない、突然怒涛の救済編――何なの、私の読解力が足りないの?気になる、考える、自分なりに解釈する、黒本読み返そうかな、天ジュノ良いなぁ、でも切ない、天城先生への思いに此処まで彼を変えるものがあったのかなぁ、何か辛い生き方だなぁ、救ってあげたい(SS書き始める)、でも、天ジュノだと限界あるなぁ、やっぱり現代に誰か欲しい、今中先生駄目かなぁ、総スカンかなぁ、でも書きたいなぁ、「今世良ってエロとか書いても良いですかねー?」、拍手一杯もらった(自分比)、良いの?ありなの?書くよ、本気でR-18書くからね、ドン引きしても知らないよ(書いた)――と、此処までが一昨年の話(何故、このタイミングで回想した?)
まあ、何が言いたいのかと言うと、極ラプの不完全さにむしろ心を掴まれて、何か色々考えてしまう。あちこちに残る余白を自分で埋めようとしてしまう。ある行動の意味が分からないと必死にそれに理屈付けしてしまう――長い間、2次をやっているからこその業が出た感じがします。同人・人生含めて、これまで自分がやってきたこと、考えてきたこと、知り得たこと、全てを世良雅志って人間を通して表現している気がするんですよね。凄まじく楽しいし、媒体としては、少なくとも桜宮サーガ一の適任というか、まあ、こんなキャラそうは居ないので、ホント、よく巡り合ったなぁ、と感心します。本当に、世良ちゃんを生み出してくれたたけるんセンセには幾ら感謝しても足りないよ。


何か、年明けから意味不明な話を展開してしまった。適当に読み飛ばしてください(今頃言うな)
まあ、理屈臭くて、いちいちごちゃごちゃさせて、最近少々ワンパターン気味なサイトですが、趣向に合うようであれば、今年も宜しくしてくださると嬉しいです。
で、以下は、31日の年明け直前にアップしようと思ったら、見事に寝落ちて、1日もずっと書いてたんだけど、ホンマでっか始まっちゃって、やっとさっき書き上がったヤツです。
玲さんが可愛い年越しネタ下さったから、もう良いかなーとも思ったけど、やっぱり行事ネタ書いておかないと座りが悪い気がしてきて。
今世良で微エロ。今年もきっと、こんな感じ。

拍手[1回]



 がしゃがしゃっと安物の鍵を開ける音が静かな夜更けに響き渡る。
 来るなんて聞いてないし、何度、事前に連絡して欲しいと頼んでも聞き遂げられた試しがない。
 でも、今日は何だか、来るような気がしていた。
「お疲れ様です」
「一杯やろうよ、今中先生」
 立ち上がり、玄関に顔を出すと、温度差で曇った眼鏡を押し下げて、何かを企んだような表情が顔を出す。
「こないだ糖尿病で来た横山さん、この辺りじゃ有名な酒蔵の杜氏だったんだって。だから、話の種に良いかなって」
 いつも勝手に冷蔵庫からビールを持ち出す上司がアルコール持参とは珍しい、と思ったが、理由を聞いて納得した。
 世良のそういう部分は尊敬できる、と思う。
 極北市民病院のような地方の診療所は、患者は地元のお年寄りばかりだ。
 入院も救急もやらない病院で、世良は日がな一日、そんなお年寄りの話を聞いている。
 旧弊となるようなシステムやエゴに対しては徹底的に叩く癖に、自分の言葉に耳を傾けてくれる相手に対して、世良はとても寛容で親切だった。
 治療に直接関係なさそうな患者の人生の四方山話、他愛も無い趣味、ささやかな自慢を楽しそうに聞き、時たま、「だったら、また、仲間と将棋を打ちたいねぇ」などと言って、極北大への紹介状を書く代わりに、家族と、在宅での療養プランの相談をしていたりする。
 今中だって、大学病院に居た医師の端くれだ。
 治る見込みのない患者が、チューブに繋がれ、ベッドに張り付けられ、人間の尊厳すら置き忘れられた様を何度も見てきている。
 それを回避するには、家族の助力も負担も必要だ。
 結果だけを見たら、紹介状を書いた方が上手くいったこともあるだろう。
 それでも――思考を止めず、安易な道を選ばず。医療の在るべき形を追い求める、その姿は、今中の背を正させる。
「あれ?でも、横山さんって、薬を減らすっていう、世良先生の話に納得できずに、怒って出て行ったんじゃなかったでしたっけ?」
 靴を脱ぎながら、世良は苦笑いする。
「息子さんが頭を下げてきたんだよ。うちは母も寝たきりで、父を週2で極北大まで送り迎えなんてとても出来ません、よく言い聞かせますからお願いします、って」
「まあ、うちなら、タクシーでもワンメーターですからね」
 横山さんは数年前に足が悪くして以来、運転が出来ない。
 地方のお年寄りは、公共サービスを受けるための足の確保だけでも一苦労だ。
「そういう訳で、その道50年の杜氏が作り上げた味を確かめてみようと思ってね」
 その言葉を受けて、流しの脇に伏せられたコップを用意しようとした今中に、世良が呆れたような声を投げる。
「だから、今中先生は風情を分からないって言うんだよ。ほら、これ洗って」
 今中は押し付けられた、手の平に収まりそうな箱を開けた。中には、一組の小さな切子のグラスが入っていた。こまかな模様の入った、繊細なそれを今中は恐る恐る手にする。
「まあ、僕だけでも良いんだけど、今中先生だけそこのコップってのも味気ないしねぇ」
 はいはいと応じて、今中はグラスを濯ぐ。
 世良の我が儘も気まぐれも、今に始まったことじゃない。こういうときは大人しく従うに限る。どうせ、口では敵わない。今、気をつけるのは、せいぜい、これを損なわないことくらいだ。どういう風の吹き回しか知らないが、世良がこういうことを言い出したら頑として聞かないのはよく分かっている。だから、今中はそれには逆らわない。きっと、その奥底で、求めているものがあるのだと思いはするけれど――


「今中、せんせ……」
 耳元で響く声は、甘くまろやかだ。
 首に腕を回し、べったりと押し付けられた身体は、酔いが回ってふにゃふにゃと頼りない。なのに、揺れる腰は、明らかな意図を持って触れ合わせられる。互いが猛っているのは容易に知れた。
 唇が何度目になるか分からない重なりを更に繰り返す。
「……世良……先生」
 その瞬間をより強く求めたのはどっちだったのだろう。
 二人は縺れ合うように、万年床に倒れ込む。
 息の合間に切れ切れに呼びながら、今中は何度もそこに口付けた。
 とにかく、夢中だったから、自分が何処を辿ったのかは殆んど記憶にない。
 ただ、そっと指先を、閉じられた場所に滑り込ませたときだった。
「……うぅん……」
 聞こえたのは、快感を示す甲高い嬌声でも、欲を露わにする激しい吐息でもなかった。すうすうという心地良さそうな寝息。
「嘘でしょう?!」
 更に、力の抜けた腕が今中の背中からぱたりと落ちる。
「遅かった、か……」
 もうグラス1杯分早く止めさせるべきだった。
 この上司は、そこまで酒に強くはないので、気が付いたら、寝ていたことも一度や二度ではない。
「だからって、これは……」
 散々誘って、完全にその気になったところで、この仕打ちはない。今中は恨めしく、罪のない顔で眠りに就く恋人を睨んだ。
 素肌を撫で上げていた行き場のない指先を、もどかしく動かす。そこには、確かに世良の体温があった。
 ――挿入れちゃ、駄目かな……?
 後先考えない思考が頭を塗りつぶす。
 後で怒られるか、嫌味を言われるか――だとしても、これは実際、据え膳と言えなくもない状況で。
 基本、世良はこっち方面には本当に精通していて、今中の部屋へ来てから準備をすることなどまずない。
「……多分、今日も大丈夫だよなぁ」
 殆んど慣らさなくても、繋げられることさえあるのだ。まして、さっきまでは本人もその気だった訳だし……。
 ――世良先生が寝ていたことにも気づきませんでした。すみません……!
 雑にも程がある言い訳を組み立て、その片足を持ち上げた瞬間――
 ゴーン、という腹の底に響く音が耳に飛び込んできた。
 音の方向に目をやれば、先ほどまでテレビ画面を賑わしていた歌番組は終わり、二年参りに向かう人々が映し出されている。
 ゴーン。
 テレビからBGMは消え、響く鐘の音に静かなアナウンサーの声が寄り添う。
「……止めた」
 除夜の鐘は煩悩を消すというが、少なくとも、我に返らせてくれたのは確かなようだ。
 いや、まあ、たまには、こっちの欲も存分にぶつけたかったような気もするけど。
 今中は余り世良を見ないようにして、部屋の隅に押し遣っていた布団をかけてやる。
 箸と、摘みにしていた乾き物の残りを片付けていると、流しの脇に置かれた切子のグラスの箱が目に入った。


「これ、此処に入れるよ」
 言うが早いか、勝手に流しの一角を空け始める。
「この部屋においていくんですか?」
 まあ、食器なんて大してないから置くくらいなんでもないのだが、当たり前みたいな顔でマイカップの置き場を決められると、此処は貴方の別荘ですか、と尋ねたくなってくる。
「当然でしょ」
「何が当然なんですか……」
 世良は箱に、グラスを丁寧にしまいながら言う。
「これから毎年、大晦日に二人で飲むための物なんだから」
 こちらを見上げる目が、意味ありげに笑う。今中は固まったまま、言葉の意味を考える。
 ――毎年、大晦日に二人で飲む。
 それは約束であり、それ以上に、未来を暗示させる言葉だった。
 世良は再建請負人として各地を転々としてきた経歴を持つ。この地でも、彼の遣り方はなかなか受け入れられず、その度に、今中は彼が出て行くのではないかという不安に襲われた。
 けれど、あるとき、世良ははっきりと極北に残る決意を口にしてくれた。
『僕はこの地に根を張るよ』
 それから少しずつ、色々なことが上手く回るようになった気がする。
 いや、世良が蒔いた種が漸く芽吹き、ゆっくりと何かを変え始めたということなのかも知れない。
 嬉しくて、とにかく、嬉しくて。
「はい!」
 答えた今中に、世良が抱きついた――それが合図だった。


 ふと目を遣れば、テレビの中ではゆったりとカウントダウンが始まっていた。
「5・4・3……」
 今中は、静かに1年を思い返した。
 と言っても、時間が無さ過ぎて、せいぜい、世良がこの部屋へ来た辺りまでしか巻き戻らなかったが……。
「2・1。あけましておめでとうございます」
 ぱっと画面に映る鮮やかな晴れ着。女性アナウンサーの晴れ晴れとした笑顔。
 今中は流しの明かりを消し、眠る世良の脇に身体を横たえた。
 じっと、その寝顔を見つめる。
 感情を隠すような微笑み、何かを仕掛けているときのにまりとした笑い、講演会の自信に満ちた表情、市役所で持論を述べるときの理路整然とした語り口、聞き分けのない患者に頑として譲らない意志、何処か遠くを見て何かを思い出しているときの切なげな瞳――世良の顔にはいつも色々なものが浮かんでいるが、今はただ無表情で、眼鏡さえなく、無防備なそれはいつもよりずっと年相応に見えた。
 けれど、今、それを見ていられることがとても幸せだと思う。
「あけましておめでとうございます、世良先生。今年も宜しくお願いしますね」
 そっと、その頬に口付ける。
「それから、できれば、その先も――」
 そっと囁き、世良の隣に身体を滑り込ませた。


村上先生ネタ、そろそろしつこいかな、とも思うけど、極ラプの世良ちゃんの行動を逐一解説して回りたい欲求が強過ぎて、つい入れてしまう。こういうのも性分です…。
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