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テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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次はR-18のつもりでしたが、そこまでいかなかったので一先ず切りました。
色気と言葉を駆使して、確信犯的に押しまくりな誘い受院長と、売り言葉に買い言葉で引っ込みがつかなくなって自棄気味に迫るジュノの天城先生取り合いバトル。序章部分はああいうナレーションだったので、世良ちゃんズの台詞はわざとひらがな多めにしてましたが、今回は普通です。
「ガチで3Pはちょっと…」くらいの方でも、此処までなら読めると思います(ちゅーはしてますが)でも、パラレルなので駄目な方は止めてくださいね。

拍手[3回]



「先生、居る?」
 ノックもせずに旧教授室のドアを開けた男に、世良は不快感を露わにした。
「さっきまで会議に呼ばれていたので、きょうはもう疲れたと言ってお休みです」
「ふぅん。なら、好都合」
 遠慮なく室内に足を踏み込まれ、世良は慌てた。
「だから、誰も入れるなって……」
「それは仕事絡みの人間の話だろ。夜のお相手は別ってね」
「はああぁぁ?!」
 いやらしい笑みを見て、世良は色めき立った。
「それ、どういう……」
「そうやって、真面目な振りしちゃって。本当は分かってるんだろ?自分が意気地なしなのを棚に上げてさぁ」
 ――そんな馬鹿な。何で、この男がそれを。
「な、何のこと……」
「天城先生に求められたんだろ?なのに、時間を下さいとか、もたもたもたもた。全く、気が知れないね」
 押し黙った世良ににやついた笑みを見せ、男は耳元で声を潜めた。
「先生の、無茶苦茶イイよ。今までシテきた中じゃ、断トツ。何で、こんな機会を棒に振るのか、さっぱり分からないね」
「な……っ?!」
 茫然とした世良に興味を失くしたように、彼は冷ややかに、その気もないなら邪魔しないでよね、とだけ言い残して、寝室のドアの奥へと消えて行った。
 ――……っ……!!!
 地団太を踏むか、手当たり次第に掴んだものを投げつけたい衝動にかられた。
 世良は、あの丸眼鏡の壮年の男が大嫌いだった。
 彼の名も世良雅志――20年後の世良の姿なのだという。天城は、ユノートル――もう一人の――ジュノと呼んで親しく振舞っているが、それも気に入らない。顔立ちこそ似ているとは認めるものの、口調は胡散臭いし、態度は軽薄だし、天城に対してやたらとスキンシップ過剰だし、世良に対しては完全に舐めきっていて小馬鹿にしてくる。
 少なくとも、絶対自分はあんな風になるものかと世良は改めて決意する。
 しかし、その男が今、天城の寝室で二人きりになっているのかと思うと、酷く胸がざわめいた。
 ――先生も、先生だ……!あんなヤツ、ただの淫乱じゃないか。
 けれど、天城は彼を世良と同じように扱う。
 ――俺が欲しいって言ってくれたのに……。
 天城に胸の内を打ち明けられ、抱きたいと言われたのは数日前のことだ。
 思いがけない告白に、世良は待ってくださいとしか言えなかった。
 それはそうだろう。
 職場の上司、男同士、そして、自分の気持ちすら分からない状況――
 いや、自分の気持ちなら分かっている。けれど、それを認めたら前に進まなくてはならなくなる。
 ――んなこと言ったって、怖いんだよ……っ!
 誰にも見せたことのない部分を曝して、その最奥を拓かれるなんて、健全な男にとっては計り知れない恐怖だ。
 そう思って、なるべく返事を促されるような雰囲気にならないように誤魔化してきた訳だが……。
 こうしている間に、あの男が先生に迫っているかと思うと、恐怖を遥かに上回る嫌悪感が込み上げてくる。
 ――冗談じゃない。
 世良は顔を上げ、寝室のドアをきっと睨み付けた。


 許可を貰いドアを開けると、間接照明だけの部屋のベッドに座った天城が、フルートグラスを口に運んでいるのが目に入った。
「ユノートル・ジュノか。どうした?」
「向こうの青二才がお役に立ちそうにないので」
 世良は靴を脱ぐと、距離を詰めて天城の隣に座る。
「先生、僕にもお酒頂けませんか?」
「ああ」
 サイドテーブルから新しいグラスを取ろうとした天城の手を掴んで止める。きょとんと無邪気な表情で自分を見返す天城に目を合わせて、そうじゃなくて、と顔を近付けた。
「そういうことか」
 天城が自分のグラスに口を付け、世良と唇を重ねる。こくり、と喉を動かした後も離れず、世良は、その背に腕を回して身体を密着させると、口内の天城の舌を捉えようとする。
 天城の吐息を余すところなく飲み込みながら、ざらつく舌の感触とその熱を貪るように求めた。
「せん、せ……」
 すっかり乱れてしまった呼吸にまじえて呼ばれ、天城は、世良の濡れた口元を拭ってやりながら微かな笑みを見せる。
「こんなこと、何処で覚えてきたんだ?」
 言いながらぺろりと下唇を舐める様を、世良は食い入るように見た。
「そんな、の……、一人しか居ないでしょう」
 ほう、と天城は満足気に感嘆を漏らした。
「その相手はどうやら、念入りに殺し文句まできっちり教えたらしいな」
 茶化すような天城の口調に、世良はむっと口を尖らせた。
「別に……、僕はただ、もう後悔はしたくないだけです!」
 真っ直ぐに自分を見て言い切った世良を、天城は眩しいものでも見るように目を細めた。
「……先生はその……、もっと純情な方が好きですか……?」
 そんな天城の表情には気付かず、世良は戸惑ったように問いかける。あいつみたいに、と口の中で小さく呟いた。
「少し色っぽくなったくらいで、ジュノの何が変わったとも思わないな」
 笑み混じりに囁かれ、世良は目を輝かせた。
「こういうところも、幾つになっても変わらない」
 天城が指の背で世良の頬を撫でた。世良の瞳が熱を帯びる。
「先生、もう……」
 艶めいた声がその先を強請る声を漏らしかけた、とき――
「先生、俺を抱いてください!」
 バンッとドアが開き、そこに強張らせた身体を仁王立ちにした青年の姿が見えた。
 その情緒の欠片もない誘いに、束の間目を瞬かせた天城は肩を震わせて笑い出し、世良は赤面して目を逸らす。
「僕、今、変わってないって言葉を、切実に取り消して欲しいです……」
「いや、これでこそ、ジュノだよ」
 涙さえ浮かべて笑い続ける天城と侮蔑を込めて自分を見る世良に、少しばかりばつの悪い顔になりつつも、青年は揺るがない視線を二人に返す。
 世良の心にむくむくと嫌悪感が湧いた。
 世良は、この甘ったれで青臭い青年が大嫌いだった。
 彼の名も世良雅志――20年前の世良の姿をしている。天城は、心底思いを込めて愛でているが、それも気に入らない。何より大切なものすら選び取れない、愚かで未熟な彼を信じた果てに行き着く先のことなど考えてもいないのだ、と思う度に苦しい気持ちになる。
「見て分からない?取り込み中だよ。邪魔しないでって言ったよね?」
 声に込められる限りの棘を含ませた世良に、青年の表情が険しくなる。
「天城先生は、思いに応える準備が出来たら何時でもおいでって言ってくれました。帰るのはそっちの方です」
「少しは状況を考えなよ。だから、ガキだって言うんだよ」
「どうせ、あんたは先生一筋じゃない癖に!」
「お前に、僕の何が分かるんだよ?!」
「そこまで、だ」
 穏やかな天城の静止に、二人はぴたりと言い合いを止めて声の主を注視した。
「どちらも引かないなら仕方がない。3人でシよう」
「3にん……、って何言ってるんですか?!」
 先に反応したのは青年の方だった。
 思わず想像してしまったのか、頬を真っ赤に染め、必死に喚く。
「そんなこと、出来る訳ないでしょう!」
「まあねぇ、お前みたいなお子様には無理かもねぇ。出来ないなら、さっさと尻尾巻いて逃げ帰りなよ」
 世良は楽しげに言うと、天城の首筋に腕を絡め、今にも顔同士が触れ合いそうな位置から挑発的な視線を投げた。かっと青年の頬に先程とは違った朱が差した。
「そんなことくらい、出来ます……!」
「ああ、そう」
 にまりと笑んだ世良は、しまったという表情になった青年を誘うように片手を上げて、手の平を上にして手招く。
「それじゃ、やってもらおうか。世良雅志君?」


ヤンデレレベルで天城先生大好きな院長が大好きな私的に、本当に堪らない設定です、W世良。院長と天城先生をくっつけておけるだけで堪らないのに、いつもツンなジュノが院長に対抗してデレ気味になってしまうとか、何だこの美味しい設定。
相当に頭沸いててアレですが、原作沿い散々書いてきて、久々の妄想爆発設定なので、大目に見てやってください…。
個人的に、院長は天城先生の前ではジュノ口調に戻るといいなと思ってるんですが、それやると区別がつかないので、このシリーズのみ院長口調のままです。それにしても、世良が二人居て、三人称がとても大変(それは分かっていたはずだろう…)
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