テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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せとかちゃんに、お誕生日おめでとう。という訳で、せとかちゃんが読みたがってた、黒本で昼ドラやってみた。
しかし、私、昼ドラを見たことがないので、正確には、昼ドラってこういう展開するんだよね、って思ってるもの、です(韓ドラも入ってるかも知れん。勿論、見たことない)
トンデモ展開。全員キャラ崩壊注意。パラレルくらいはハッピーエンドにしたいのですが、昼ドラでハッピーエンドって全く想像出来なかったので、酷い鬱展開してます。いっそ、ギャグだと思って笑って許してくれる人以外は読んじゃ駄目(そもそも、せとかちゃんが大丈夫かって話だけど、許してくれるって信じてる…!(←圧力)
天ジュノ、高世良、速世良、天マリ。夫だの妻だの言ってますが、性転換はしてません。細かいことは考えない。
あと、性的描写はありますが、R-18には引っかかってないつもり(異論は認めない)
以上を読んで、大丈夫な方のみどうぞ。
しかし、私、昼ドラを見たことがないので、正確には、昼ドラってこういう展開するんだよね、って思ってるもの、です(韓ドラも入ってるかも知れん。勿論、見たことない)
トンデモ展開。全員キャラ崩壊注意。パラレルくらいはハッピーエンドにしたいのですが、昼ドラでハッピーエンドって全く想像出来なかったので、酷い鬱展開してます。いっそ、ギャグだと思って笑って許してくれる人以外は読んじゃ駄目(そもそも、せとかちゃんが大丈夫かって話だけど、許してくれるって信じてる…!(←圧力)
天ジュノ、高世良、速世良、天マリ。夫だの妻だの言ってますが、性転換はしてません。細かいことは考えない。
あと、性的描写はありますが、R-18には引っかかってないつもり(異論は認めない)
以上を読んで、大丈夫な方のみどうぞ。
どうして、こんなことになってしまったのだろう――
「ジュノ……」
初めて会ったときから自分を呼ぶその音が愛しかった。気付けば、もう一度呼んで欲しいといつも願っていた。
上質なソファが押し付けられるままに世良の背を受け止める。じっと自分を見つめる瞳と視線が絡み合う。
駄目だ、と思うのに、振り解けない。肘掛けを握り締め、目を閉じる。
ソファに重さがかかって、更に身体が沈み込む。
唇に重なる熱。
ただただ、欲しいと思った。
腕を伸ばし、引き寄せる。応えるように、僅かに離れた繊細な部分が甘く絡み付いて来る。みっともないほどの水音を響かせながら、二人は飽くことなく貪り合った。
「ジュノ、愛してる」
ワイシャツの下に入り込んだ手が素肌を撫でる。ぞくりとした感触に甘い声が漏れた。
「はぁ……、あぁん……!」
こんな声、あの人以外には聞かせてはいけないのに。
分かっているのに、止まらない。もっともっと、深部に触れて欲しい。
「ああ、ジュノ……」
耳を打つ心地良い声。整った美しい顔立ち。時折寂しそうな色を宿す瞳。
「俺もです、天城先生」
罪と知っていて尚、抗えないものがある。内側から湧き上がる衝動。彼を求める想い。止め処なく望んでしまう悦楽。
「あっ……。あぁ、ああぁ……!」
「ジュノ、ジュノ――」
例え、許されない想いだとしても、今このときだけは――
ソファの上で全身を仰け反らせ、世良は愛しいその存在を全身で受け止めた。
「ジュノ、一緒に逃げよう」
乱れた服装のまま、ソファで寄り添いながら、天城が世良の汗に濡れた髪を掻き揚げ言う。
「それは……」
世良は黙って、顔を俯けた。
天城がモナコの首都・モンテカルロの病院へ戻るのは明日。
彼は、世良の上司である佐伯教授からの依頼で、1月程前、この国で初めての公開手術のために来日した。
「私はジュノと共に生きたいんだ」
天城の世話役を言い付けられた世良が、彼に惹かれていくのに大した時間はかからなかった。彼は、天才が誰しもそうであるように、人々の注目を引き、あっという間に魅了してしまう。
「ジュノにもコート・ダジュールの海岸を見せたい」
指先を絡め、瞳を合わせて、天城が言う。
こんなに魅力的な人が自分と同じ気持ちを持っていたと知ったとき、世良は天にも昇るような気持ちになった。
そして、思わず、自分の胸の内を吐露してしまった。
けれど、それは過ちだった。
「すみません……」
「ジュノはやはり、クイーンを選ぶのか?」
その言葉に、世良の胸がきゅうっと苦しくなった。あの人は、婚約者にこんな酷い裏切りを受けているなど考えてもいないというのに――
「佐伯教授は、身寄りのない俺が一人前の医者になるまでの援助をしてくださった恩人です。その人が、自分の陣営につけるために高階先生と結婚しろと言うなら、俺は……」
「院内政治のために犠牲になるなどナンセンスだ」
「もっと早く……、貴方に出会えていたら良かった……!」
「ジュノ……」
天城の公開手術の成功パーティで、高階と世良の婚約は院内に発表され、年末の病院長選挙の形勢ががらりと変わったと医局では連日のように噂になっていた。
こんな状態で、婚約破棄などできるはずもない。
世良は首を振って、涙を落とした。
「さようなら、天城先生……。俺は、今日のことと貴方の言葉を胸に仕舞って生きていきます。先生もどうかお元気で」
涙を拭いて、身支度を整え始めた世良の後姿をじっと見ていた天城は、そっと片腕だけでその肩を抱いた。
「アデュー、ジュノ。でも、どうか、もう少しだけ、こうさせていてくれ」
世良は涙の乾いた頬をそっと、彼の大きく綺麗な手の甲に触れ合わせた。
「世良さん、机はこの部屋で良いですか?」
「あ、悪いけど、こっちに運んでもらえるか」
天城がモンテカルロへ戻って、半年が過ぎていた。
切なくて苦しくて、堪らなく泣きたくなることもあったが、婚約者・高階の優しさに世良の心は少しずつ前へと向いていった。
新居の準備も少しずつ進んでいた。高階の選んだマンションは、部屋に入るときに桜宮の海が一望できる場所だった。今日は、新たに買い揃えた家具が届く日だったのだが、高階が急に出張になってしまい、助っ人として、後輩の速水がマンションに来ていた。
「この辺りに頼む」
「此処ですね」
立ち位置で場所を示した世良は、運び込む速水の為にそこを退こうとしたが、突然前方を机で塞がれた。
驚いて見ると、そこには無表情の速水がいた。逆側から世良に近付きながら、感情の見えない声で言った。
「ねえ、世良さん。俺、偶然見ちゃったんですよ」
「何を……」
尋常じゃない雰囲気だ、不味い、と思ったが、咄嗟に机を押し遣ることも出来ず、じりじりと壁際に追い詰められる。
「これ」
速水がポケットから出したスマホを操作し、差し出す。
「これが何だって……」
『ジュノ、愛してる――はぁ……、あぁん……!――ああ、ジュノ……――俺もです、天城先生』
聞こえた懐かしい声に、世良は固まった。忘れもしない、たった一度だけ想いを通わせた逢瀬。
「何で……?」
「だから、偶然見ちゃったんです」
そういえば、速水は屋上に登る癖があると看護師達が噂していた。偶然にあの部屋の窓の脇を通りかかったのだろうか。
「これは……」
何て言えばいいのだろう、二度と会わないと、たった一度のそのときを今でも宝物のように思い生きていると――
必死で話そうとする世良の肩の直ぐ上に、速水が腕を付いた。
長身の彼に殆んど見下ろされる形になる。
「ずっと好きでした。俺にもヤラせて下さいよ」
「な、何言って……?!」
「これ、高階先生にバラされたら困りますよね」
速水はスマホを世良の手から取ると、机の上に放り投げて世良の顎を掴み上向かせた。
「何を、馬鹿な……、んんんっ……」
口が塞がれた。開いたところから速水の舌が捻じ込まれる。
「……ふぅっ、んんっ……」
嫌だと首を振ったが、しっかりと顎を押さえられていて動けない。口内で蠢く舌を追い出そうとしたが、更に深く縺れ合うだけの結果に終わる。
「ん―――っ!!!」
腕を突っ張って肩を押し遣ろうとしても、全く効果がない。無闇に動いた所為で、酸欠になりかかってぼんやりしてきたところで、上顎をなぞられてぞくんと背筋が粟立った。速水にもそれが分かったようだった。
更に、そこを激しく攻められる。
「はぁ……っ、やめ……っ」
長い口付けの後に、漸く解放された唇から、ひっきりなしに漏れる吐息に必死に拒絶を混ぜたが、速水は構うことなく世良の身体を机の方に向かせ、後方からベルトを外し始めた。
拒もうと上から手を押さえ、前傾になると、その背が強く押された。
思わず、机に腕を付く。そのままの姿勢で圧し掛かられ、板の上に上半身を押し付けられた。
「……っ……」
背中に圧迫を受けたまま、ファスナーが降りる音を聞く。
スラックスが下着ごと下ろされたのが分かっても、上半身を動かすことは叶わなかった。
潤いのないそこに這入り込んで来る無骨な指に、世良は歯を食い縛った。
呼び鈴の音に、重い身体をどうにか起こして玄関のドアを開けた。
だが、そこに立っていたのは、たった一度の本懐を盾にこれまで幾度か世良の身体を蹂躙してきた後輩ではなかった。
「高階先生……」
「速水君なら来ませんよ」
「何で、それを……?!」
現れた婚約者の姿だけでも驚いたのに、その口から漏れた事実に世良は困惑を隠せなかった。またあの苦痛を強いられるのかと怯えていたが、解放されたからといって喜べる状況でもない。
「様子がおかしいと思って調べたんです」
その返答に絶望を感じた。
「じゃあ、高階先生は全部……」
もう、終わりだ。知られてしまった……。
「ええ、聞きました。速水君に脅されていたことも、その内容も」
「申し訳ありません、高階先生!」
そして、何より、この優しい人を傷つけたことが哀しい。
「……」
しかし、高階は、深く頭を下げる世良を見ても、何の言葉も発しなかった。そんなに怒りが深いのかと世良は震えた。
「どんなお叱りも罰も受けます!破談でも何でもしてください!!」
「破談、された方が良いですか?」
ぽつりと聞こえた言葉に、世良は茫然とした。高階の声に怒りはなかった。
「そうしたら、君は彼の後を追えますね」
「追いません……!天城先生とはあの一度だけで終わりました。二度と会うつもりはありません」
必死に訴える世良の耳に届いたのは、高階の安堵したような溜め息だった。
「すみません、試すような言い方をしてしまいました。でも、どうしても知りたかったんです。君の、私と一緒に生きるという言葉に嘘がなかったことを」
高階に抱き寄せられた世良は戸惑う。
「嘘なんてありません。嘘なんて……!」
それでも、懸命に言葉を尽くした。天城とのことは許されない過ちだったが、それでも、互いにあの一度以上に踏み込みはしなかった。
「やり直しましょう」
簡潔に出された結論に、考えるより先に涙が滲んだ。信じられなかった。
「全部、忘れてやり直すんです、私も君も」
「本当に……?」
高階は腕を緩めて、世良の顔を覗き込んだ。恐る恐る視線を上げた先にある表情に嘘がないことを知り、世良の頬に涙が伝った。
「君は、私の可愛い教え子で婚約者です。院内政治のためだけじゃない。君を手放したくないんだ」
その言葉で、世良は自分がどれ程大切に思われてたかを知り、自分を恥じた。
「ありがとうございます。貴方が許してくれるなら、俺は精一杯、貴方と一緒に生きようと決めました」
高階が優しく笑って世良を抱き締める。世良もまた、その背に腕を回して、彼の思いに応えた。
後編に続く。
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