テレビ先生の隠れ家
カレンダー
08 | 2025/09 | 10 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 |
プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
カテゴリー
カウンター
ブログ内検索
P R
忍者アナライズ
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
拍手コメで、続き妄想いただいたので、それをベースに繋げてみました。天ジュノ←高階。微エロ描写有り。
本編はスリジエネタバレだけど、番外編はネタバレなしっていう。まあ、これだけでも、読める…かな?
そんなことより、キャラ崩壊が凄すぎて…。特に、世良ちゃん。酔っ払い天然小悪魔世良とか、OKな方のみどうぞ。
本編はスリジエネタバレだけど、番外編はネタバレなしっていう。まあ、これだけでも、読める…かな?
そんなことより、キャラ崩壊が凄すぎて…。特に、世良ちゃん。酔っ払い天然小悪魔世良とか、OKな方のみどうぞ。
――こ、これは一体、どうしたら……。
かつて帝華大の阿修羅と呼ばれた男が此処まで、困惑し、茫然とした顔を見せたことは恐らく、人生のうちでも数えるほどしかないだろう。
しかし、そんな稀有な事態というのは、すべからく、端から見たら滑稽なことが多い。この場合も、全くもって例に漏れず、そんな状況だった。そして、その元凶は、自分がそれを作り出したことをこれっぽっちも意識してなど居なかった。
「天城先生、只今戻りましたぁ~」
ご機嫌で、間延びした声を発した元凶――世良雅志は、高階の腕に自分の腕を絡ませて、にこにこと笑っている。
そして、ノックして呼ばれるなり、「ジュノ!」と満面の笑みを浮かべて、わざわざ自分でドアを開けて旧教授室から出て来た天城も、その笑顔のまま、完全に固まっていた。この顔も、人生に何度見られるかレベルのレア物であることは疑う余地もない。
この異常事態は、医局の一角の模様替えが必要になり、高階が医局長たる世良に依頼したことに端を発する。本来なら、世良が教室内の医師達に指示してやらせるところだが、直近に迫った学会の準備で手の空いている者が少なく、また、そこまで広い場所でもなかったため、高階と二人で作業することに決まり、滞りなく済ませた。天城雪彦という男が現れてから、世良とゆっくり話をすることもなくなっていた高階は、良い機会だからと、小料理屋を予約し、「食事を奢ってあげるから、その後も開けておくように」と指示しておいた。その時間は、高階にとって、とても充実した時間で、非常に満足したものとなった。そして、いよいよ帰る段になり、余り酒に強くない世良一人ではどうも心もとないので送ると言ったら、「旧教授室に行かなくてはいけない」と言う。旧教授室とは、名前を聞くだけでも嫌気がさす、高階の天敵・天城雪彦の根城なのだが、ある意味、世良の主な仕事場でもある。
ただでさえ、相性の良くない二人をどうにか会わせまいと、世良が四苦八苦しているのは良く知っている。だから、ただ、何か忘れ物をした程度の用なのだろうと思い込み、まさか、深夜を回ろうという時刻に天城が居るなど考えもしなかった。これは、世良の頭のネジがアルコールで数本ぶっとんでいるにも関わらず、いつもの理性が機能していると思い込んだ高階の失敗だ。高階にべたべたくっ付いているところを見られたことすら悪びれる様子もなく、世良は天城にいきなり抱きついて、「お待たせましましたぁ」と甘えた声を出した。天城すらすっかりそのペースに乗せられ、「お帰り、ジュノ……」などと答えている有様だ。
「高階先生が送ってくれたんです。天城先生もちゃんとお礼言ってください」
邪気のない目でねだられ、天城は言うなりに「メルシ、クイーン」とぼそぼそと呟いた。
「お二人が仲良しだと嬉しいです」
にっこにっこと満面の笑みを浮かべる世良に、高階は内心白旗を上げた。
それが、世良の本心――そんなこと分かっている。
今日だけはその夢を叶えてあげようと高階は、少し引きつった笑いを顔に貼り付け、表面上は非常ににこやかに帰途についた。
天城が少し目を離した隙に、世良はソファで直ぐに寝てしまった。
「ジュノ」
揺さぶっても、いやいやと首を振るだけで起きる気配は全くない。
これは、恐らく、店に居た時点で既に寝落ち、帰るタクシーの中でもずっと寝ていたのを、高階がどうにか起こして連れて来たに違いない、と世良と何度もグラスを交わしている天城は推測する。世良はそんなに酒には強くない上に、酔うと直ぐに寝てしまうのだ。
だとしても、此処まで抑えて来た理性の方は別物だ。
無防備な姿で身体を投げ出す世良がそこに居る。
昼間、「戻ったら、続きをしよう」と言ってある訳だし、世良だって、此処でこんな風にしていれば、美味しくいただかれても仕方ないことくらい分かっているはずだと強引に結論付ける。先程、高階とべたべたしていたのが気に食わないのもある。
天城は、世良の髪を優しく撫でながら、そっとその歯列を割り、舌を絡める。ゆっくり舐め上げ、強く舌先を吸うと、世良は苦し気な息を吐きながらも、気持ち良さそうな表情を見せた。
それを見た天城は、今度は耳に舌を這わせながら、世良の首筋を撫でてやった。世良の身体が小さく跳ねる。
ゆっくり時間をかけて、耳たぶを舐め上げ愛撫した天城は、夢見心地で為すがままになっている世良のシャツに手をかける。
外したボタンの下、自分のつけた痕を確認した天城はそこに信じられないものを見た。天城がキスマークをつけた逆側、やはり鎖骨の下に、自分がつけたのとそっくりな朱があったのだ。
それをしたのが自分でないことを天城は知っている。
だったら、犯人は一人しか居ない――
あっさり眠りに落ちた世良の傍に居て、そんなことをしたいと望む相手。
こんな形で対抗してくるのは意外だったが、天城に対する高階の行動は、結構分かり易くて単純だったりする。
瞬時、天城の頭は真っ白になった。
「ジュノ……!」
思わず、肩を掴み、揺さぶる。
それ以上のことは、何もなかったことは分かっている。
けれど、取り返しのつかないことになった可能性もあったと思うだけで、天城を動揺させるには十分だった。
乱暴にされた世良は、ぼんやりと目を開けた。
いまいち焦点の合わない目が天城の姿を捉える。
「天城先生……、泣いてるんですか?」
ぽつりと世良が言った。
確かに、生きた心地がしないような気分を味わったのは事実だが、そんなに酷い顔をしていた覚えはない。
「誰が……」
「大丈夫ですよ」
否定しかけた天城の言葉を遮るように、世良はふわりと笑った。
「俺がずうっと天城先生の傍に居ますからね」
いまいち回りきらない舌でそう言うと、世良は天城の首筋に手を回して抱きついた。
「ジュノ……」
その体温に安心する。
――俺の居場所は此処で、それは、誰にも代わることは出来ない。
代える気など毛頭ない。例え、世良が嫌がったとしても、手放すつもりなど……。
天城がそっとその身体に手を回した直後――
がくんと、世良の体重が天城の肩にダイレクトにかかった。あっさり睡魔に負けた恋人に、天城は呆れ返る。
「この、二股忠犬め!」
この調子では、高階を前にしたときも、何だかんだと殺し文句を吐いて居るに違いない。けれど、その言葉通り、相手が誰でも、それによって余り望ましくない立場に追いやられても、簡単には裏切らない真っ直ぐな心根に、結局は惹かれてしまうのだ、天城も高階も。
――お二人が仲良しだと嬉しいです。
「だが、ジュノ。そうはいかないんだ」
スリジエも、世良も、高階の思い通りにさせる訳にはいかない。
「ずっと傍に居る為には、きっと二つは選べないんだよ、ジュノ」
そっと、指の背で顎を擽ると、世良は眠ったままきゅんと鳴いて、首をすくめた。
こういうの書くと、天城先生も好き、せらまぎもイケるよ、とか言ってるけど、やっぱり私は世良右クラスタなんだな、と思う。愛され世良ちゃんが!好き!だ!
ちょっと天城先生が気の毒になってきたので、ラスト、少しだけ切ない感じに。
「二股忠犬」っていう、天城先生の言い方が大好きですv(まあ、これもスリジエネタといえばスリジエネタ…)
PR