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テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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とうとう、始めてしまいました。
世良院長が好きなんです!(知ってる)今中先生相手にしたときのツンデレっぷりが可愛いんです!ああ、もう、極ラプの世良ちゃん、大好き!!!
――というノリで書いてるものなのかな、と思って読むと、結構、肩透かし(笑)
極ラプの冒頭か、ちょい前くらい。まずは軽ーくね。

拍手[5回]


「今中先生、居る?」
 医局の入り口から顔を覗かせた世良は、そこが無人なのを見ると、つかつかと室内に足を踏み入れ、今中の机の上に目を走らせる。
 極北市民病院唯一の部下の机は、お世辞にも綺麗とは言い難い。
 そこに載せられた郵便物の束を、世良は得意の嗅覚で素早くスキャンする。
 1通の宛名を確認して、白衣のポケットにねじ込むと、残り4通はろくろく見もせずに、隣のゴミ箱に放り込んだ。
 その拍子に、半ば、書類に乗り上げていたマウスが転がり、スクリーンセーバーのかかっていたモニターが、今中の作業中の画面を映した。見るともなしに目を遣った世良は、その内容に驚く。ニュース、コラム、ブログ、スレッド――それは、全て『不良債権病院再建請負人・世良雅志』に関する記事だった。まあ、この程度なら、時間さえかけて検索すれば出て来る範囲だから、どうということはない。
 むしろ、今中がそこまで自分に興味を持っていたことに吃驚した。
 ――まあ、当然か。
 大規模な組織ならともかく、この病院にはたった二人の医師しか居ないのだ。始終顔を突き合わせていなくてはならない相手のことを調べたくなるのは当然だろう。
 ――にしても、大した悪評だ。
 さほどの感慨もなく、世良は記事を斜め読みする。良く良く思い出せば、情報の出所も特定できるのだろうが、そんなことは正直、どうでも良かった。
 ただ、自分の立て直した幾つかの病院が、今もちゃんと機能していることだけは分かった。
「ふう……」
 暫く読んだところで、微かに溜め息が漏れた。
 自分の軌跡を辿る作業は、決して心地の良いものではなかったのだ。
 ――ある日、いきなり、派遣されてきた上司が、何処へ行っても、非難を一身に浴びるような人間だったと知ったら、普通はどうするんだろうなぁ……。
 だが、相手は、極北市が破綻し、職員達がこぞって逃げ出した市民病院に自ら留まったような人間だ。『普通』などという言葉が当てはまるとは思えない。それに、今中の処理能力から考えて、これだけの記事を1日かそこらで集めたはずはないだろう。だとすると、随分前から、彼は世良の情報を集めていたことになる。それでも、平然と一緒に仕事をしていたのなら、大して気にしてはいないのだろうか?でも、気にしてないなら、集める必要などない。結局、どっちつかずで、ついつい集めてしまっている、という結論に落ち着く。
「それが一番、今中先生らしいか」
 ふふっと世良は笑う。
 少なくとも、赤の他人の情報だけで判断して、世良を追い出す度胸のあるような人間ではない。
 むしろ、問題なのは、そうやって滞在している此処が、事の他、居心地が良いことだった――
「まあ、だからって、何が変わる訳でもないけどね」
 小さく呟き、マウスを放った世良は、来たときとは打って変わって、厳しい表情で医局を出た。


以前、極ラプの世良ちゃんの今中先生への思いってこうだよね、と語った内容を、同一時間軸でSSにしていこうという試みです。不定期更新。くっつくまでばかり書いていると、シリアス寄りになって飽きるので、デキた後が適度に混じります。冒頭に、どの辺の話か、ネタバレ有りか(クレイマー・極ラプのネタバレ注意はしません)、書くようにしますので、ご判断くださいませ。
オンリーワンだと信じていたのに、意外にも、拍手ぱちぱちいただいたりして、え?良いの?良いの?!となりました。調子に乗って、こそこそ書きます。
今回が1回目ですが、彦世良もまあ、序章と言って良いかも知れないなぁ、と書いた後に思った。まあ、あれは、スリジエネタバレを含むので、読了後推奨です。特に続いてる訳でもないので、良いタイミングで読んでいただければ、と。
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