テレビ先生の隠れ家
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プロフィール
HN:
藍河 縹
性別:
女性
自己紹介:
極北市民病院の院長がとにかく好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
原作・ドラマ問わず、スワンを溺愛。
桜宮サーガは単行本は基本読了済。
連載・短編はかなり怪しい。
眼鏡・白衣・変人は萌えの3種の神器。
雪国在住。大型犬と炭水化物が好き。
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デキてる設定(極ラプ後)で、今世良。
元々は、天城先生が極ラプ後に合流して、世良ちゃんの眼鏡の理由について話すってSSだったんですが、それは不可能と分かったので、お蔵入り。しかし、勿体無いので、再利用してみる。
元々は、天城先生が極ラプ後に合流して、世良ちゃんの眼鏡の理由について話すってSSだったんですが、それは不可能と分かったので、お蔵入り。しかし、勿体無いので、再利用してみる。
「じゃあ、明日の予定は、午後3時からの記者会見だけですね」
大して必要もないが、一応、手帳にメモを書き、病院長室を出ようとしたら、背後から呼ばれた。
「今中先生」
振り向くと、今中の直属の上司にして、この極北市民病院の院長が微かな笑みを浮かべて立っていた。それは、どう見ても、立場相応の顔ではなかった。何を期待されているのかは、朴念仁の今中でもさすがに分かる。
デスクの前へと戻り、その細い背を引き寄せ、軽く唇を重ねようとしたとき――
「痛っ!」
世良の手が今中の頬を思いっきり押し返した。
「何で、今中先生ってこうかなぁ。ホント、台無しだよ。まあ、予想は出来てたけどさ」
触れた拍子に押し付けられた眼鏡を拭きながら、鼻の辺りに頻りに触れている。
意に添えなかったのは申し訳ないが、大体、真昼間の病院長室で誘ってきたのは、そっちじゃないか、という気持ちもなくはなく。少なくとも、動物を追い払うみたいに、手をひらひらされるのは面白くない。年が一回りも離れているので、どうしても対等という訳にはいかないが、所謂、お付き合いしている、という関係になっても、世良は相変わらずだ。常に上から目線で、可愛気の欠片もない。
――分かってるなら、眼鏡くらい外してれば良いじゃないか。
常々、気が利かない、空気が読めない、面白みがない、と貶されまくっているのだ。そんな、ないない尽くしの人間に最初から期待なんかするな、と怒り半分で、いまいち情けない反論を抱いてみる。
世良は、眼鏡を拭き終えると、今中には興味をなくしたように、席に座り、脇に折りたたまれていた新聞へと目を落とした。眼鏡はかけなかった。
「近くは見えるんですね」
思ったことが直ぐに口から出たのは、怒りの余韻の所為だろう。世良は、その指摘で初めて気づいたように、「ああ」と口の中で呟いた。
「全く問題ないよ。老眼鏡だとでも思ってた?」
「いえ……。それじゃあ、近視ですか?」
深く掘り下げるような話でもなかったが、そのまま離れるのも負けを認めるようで、知らず、今中はムキになったように会話を続けていた。
「そうそう。今の職に就く前に、猛勉強したからね。国試なんかより、遥かに」
『国試なんかより』かどうかは知らないが、確かに、世良の政治・法律・経済辺りの知識には目を見張るものがある。専門家並みの水準にあるそれに、世の中をひっくり返すような持論をつけ、誰憚ることなく口にし、実行する。『抗がん剤』とは良く言ったものだ。確かに、相当な熱意と興味がなければ出来ないレベルだが――
「それが、『運命に抗い生き続けること』だったから、ですか?」
神威島での言葉を思い出して言うと、世良は曖昧に笑った。
互いの間ではっきりと口にしたことはないが、世良の中には、今でも狂おしく思い続けている人が住んでいるらしい、と今中は気づいている。時には無茶苦茶にさえ見える世良の原動力は、何時だってその人への思いに端を発しているのだ。
「……そろそろ、失礼しますね。もうすぐ、定時ですし」
何となく、それ以上の会話を続ける気にならず、病院長室を辞そうとした今中に、世良は言う。
「もうすぐって、あと50分はあるけど」
――どうせ、やることもないのに、いちいち言わなくても……。
内心で反論したところで、ふと違和感に気づく。今中の直ぐ脇にある壁掛け時計は、先代の病院長のときから使っているものだが、小ぶりな上に、本体も針も同色の金色で、非常に実用性に乏しいものだったはずだ。
「何時ですって?」
「だから、まだ5時10分……」
顔を上げて、時計をもう一度見た世良も気づいたようで、慌てて目を逸らした。
「眼鏡、必要ないんじゃないですか?」
「……うるさいなぁ……」
その態度は、普段の今中らしくなかったが、色々と溜まっていたものがあったのだろう。僅かに見つけた弱点の香りに、ついつい続けてしまった。
「温度差で曇ったりもしないし、若く見えるし、絶対、そっちの方が良いですよ」
世良の眉間の皺が深くなる。
今中は更に付け加えた。
「誘われた後に、いちいち嫌味を言われるのもうんざりですし」
「……若く見られたくないんだよ……」
ぼそりと世良が呟いた。
「は?」
「だから、若く見られたくないんだよ!何か、文句ある?」
睨み付けられ、今中は茫然とした。確かに、世良は実年齢よりかなり若く見える。今中と同世代と言っても通るに違いない。しかし、羨ましいとは思えど、本人がコンプレックスに感じていたとは……。
「因みに、何が問題なんですか?」
世良は、しまったという表情になった。向こうも売り言葉に買い言葉でついつい言ってしまったに違いない。その頬は心なしか赤い。
「『若造』とか、良く言われるんだよ。総務省、市役所、有識者の会――それぞれ、ご丁寧に口を揃えて」
「見た目の中傷ですか?!」
子供の喧嘩じゃあるまいし。そもそも、『若く見えること』に何の問題があるというのだろう?
「僕の言ってることが真っ当な正論で、あっさり論破されてきてるから、その憂さ晴らしでしょ。別に、痛くも痒くもないから、放っておいても良いんだけどさ……」
「そう言われるのは、我慢出来ない訳ですよね?」
世良は大きな溜め息を吐き、背凭れに体重を預け、暫し遠くを見るような目をした。
「昔、僕を『ジュノ』って呼んだ人が居たんだよ」
「ジュノ?」
「フランス語で『青二才』――若造とか、未熟者ってこと」
「すっごく失礼な人ですね」
「そう、失礼なんだよ!しかも、初対面でいきなり呼んで、それ以降ずっと」
しかし、その人を思い出しているらしい世良の表情には、幸せそうな笑みが浮かんでおり、憤慨している様子は全くない。そして、今中の内側で、全てがふと繋がる。その人こそが、世良の心に住む、『故郷に桜の樹を植えようとした人』なのだ、と。
この世界でたった一人だけに呼んで欲しいと、心底渇望するその呼び名を、歯牙にもかけない雑魚に呼ばれる筋合いはない、とその顔は言っている。自分をそう呼んで良いのは、その人だけだ、と。
――まるっきり、駄々をこねる子供だな。
今中は何だか可笑しくなる。
会議のときなどにまで殊更に白衣を着るのは、専門性の高さを意識させ、相手を圧倒するため。軽く、相手を煙に巻くような言動は、相手に掴み所のない人間と認識させるため――世良は、服装も行動もきちんと計算して、『不良債権病院再建請負人』としてのキャラクターを演じている。
なのに――
そんな奴ら、放っておけば良いのに、まるで抵抗するように、少しでも年を取っているように見せようとしているとは。
「世良先生」
今中は、デスクまで戻り、先程未遂に終わったキスをした。その不意打ちに、世良が硬直しているのを確認して言う。
「私はそんな風に呼びませんから、二人で居るときは、眼鏡を外していてください」
宣言したら、世良が面白くなさそうにぼやいた。
「今中先生ってば、意外と独占欲強いんだねぇ」
むしろ、肝要な方だと思いますけど、と言う代わりに、「邪魔だったので」とだけ言って、病院長室を出た。
どんなもんでしょうか、デキてる今世良?!
そもそも他に書いてる人を見たことがないので、参考になるものが何もない、という…。
基本は、世良ちゃんの誘い受っぽい流れだと思うんだけど、一応、今中先生だって男の人ですから、そっちから動くこともあるかと思うし、優しいから天城先生を思うのも許してるけど、そればっかりじゃ嫌だろうし。
世良ちゃんは、今中先生に対してはツンデレだと思っているので、可愛くない発言多めで、割とぎゃんぎゃん言ってる。でも、その心の中では凄く感謝してる、はず。
ま、まあ、こんな感じ、かなぁ、と(びくびく)
世良ちゃんの眼鏡と白衣と態度の訳を勝手に妄想。この3つのポイントは好み過ぎて…。
大して必要もないが、一応、手帳にメモを書き、病院長室を出ようとしたら、背後から呼ばれた。
「今中先生」
振り向くと、今中の直属の上司にして、この極北市民病院の院長が微かな笑みを浮かべて立っていた。それは、どう見ても、立場相応の顔ではなかった。何を期待されているのかは、朴念仁の今中でもさすがに分かる。
デスクの前へと戻り、その細い背を引き寄せ、軽く唇を重ねようとしたとき――
「痛っ!」
世良の手が今中の頬を思いっきり押し返した。
「何で、今中先生ってこうかなぁ。ホント、台無しだよ。まあ、予想は出来てたけどさ」
触れた拍子に押し付けられた眼鏡を拭きながら、鼻の辺りに頻りに触れている。
意に添えなかったのは申し訳ないが、大体、真昼間の病院長室で誘ってきたのは、そっちじゃないか、という気持ちもなくはなく。少なくとも、動物を追い払うみたいに、手をひらひらされるのは面白くない。年が一回りも離れているので、どうしても対等という訳にはいかないが、所謂、お付き合いしている、という関係になっても、世良は相変わらずだ。常に上から目線で、可愛気の欠片もない。
――分かってるなら、眼鏡くらい外してれば良いじゃないか。
常々、気が利かない、空気が読めない、面白みがない、と貶されまくっているのだ。そんな、ないない尽くしの人間に最初から期待なんかするな、と怒り半分で、いまいち情けない反論を抱いてみる。
世良は、眼鏡を拭き終えると、今中には興味をなくしたように、席に座り、脇に折りたたまれていた新聞へと目を落とした。眼鏡はかけなかった。
「近くは見えるんですね」
思ったことが直ぐに口から出たのは、怒りの余韻の所為だろう。世良は、その指摘で初めて気づいたように、「ああ」と口の中で呟いた。
「全く問題ないよ。老眼鏡だとでも思ってた?」
「いえ……。それじゃあ、近視ですか?」
深く掘り下げるような話でもなかったが、そのまま離れるのも負けを認めるようで、知らず、今中はムキになったように会話を続けていた。
「そうそう。今の職に就く前に、猛勉強したからね。国試なんかより、遥かに」
『国試なんかより』かどうかは知らないが、確かに、世良の政治・法律・経済辺りの知識には目を見張るものがある。専門家並みの水準にあるそれに、世の中をひっくり返すような持論をつけ、誰憚ることなく口にし、実行する。『抗がん剤』とは良く言ったものだ。確かに、相当な熱意と興味がなければ出来ないレベルだが――
「それが、『運命に抗い生き続けること』だったから、ですか?」
神威島での言葉を思い出して言うと、世良は曖昧に笑った。
互いの間ではっきりと口にしたことはないが、世良の中には、今でも狂おしく思い続けている人が住んでいるらしい、と今中は気づいている。時には無茶苦茶にさえ見える世良の原動力は、何時だってその人への思いに端を発しているのだ。
「……そろそろ、失礼しますね。もうすぐ、定時ですし」
何となく、それ以上の会話を続ける気にならず、病院長室を辞そうとした今中に、世良は言う。
「もうすぐって、あと50分はあるけど」
――どうせ、やることもないのに、いちいち言わなくても……。
内心で反論したところで、ふと違和感に気づく。今中の直ぐ脇にある壁掛け時計は、先代の病院長のときから使っているものだが、小ぶりな上に、本体も針も同色の金色で、非常に実用性に乏しいものだったはずだ。
「何時ですって?」
「だから、まだ5時10分……」
顔を上げて、時計をもう一度見た世良も気づいたようで、慌てて目を逸らした。
「眼鏡、必要ないんじゃないですか?」
「……うるさいなぁ……」
その態度は、普段の今中らしくなかったが、色々と溜まっていたものがあったのだろう。僅かに見つけた弱点の香りに、ついつい続けてしまった。
「温度差で曇ったりもしないし、若く見えるし、絶対、そっちの方が良いですよ」
世良の眉間の皺が深くなる。
今中は更に付け加えた。
「誘われた後に、いちいち嫌味を言われるのもうんざりですし」
「……若く見られたくないんだよ……」
ぼそりと世良が呟いた。
「は?」
「だから、若く見られたくないんだよ!何か、文句ある?」
睨み付けられ、今中は茫然とした。確かに、世良は実年齢よりかなり若く見える。今中と同世代と言っても通るに違いない。しかし、羨ましいとは思えど、本人がコンプレックスに感じていたとは……。
「因みに、何が問題なんですか?」
世良は、しまったという表情になった。向こうも売り言葉に買い言葉でついつい言ってしまったに違いない。その頬は心なしか赤い。
「『若造』とか、良く言われるんだよ。総務省、市役所、有識者の会――それぞれ、ご丁寧に口を揃えて」
「見た目の中傷ですか?!」
子供の喧嘩じゃあるまいし。そもそも、『若く見えること』に何の問題があるというのだろう?
「僕の言ってることが真っ当な正論で、あっさり論破されてきてるから、その憂さ晴らしでしょ。別に、痛くも痒くもないから、放っておいても良いんだけどさ……」
「そう言われるのは、我慢出来ない訳ですよね?」
世良は大きな溜め息を吐き、背凭れに体重を預け、暫し遠くを見るような目をした。
「昔、僕を『ジュノ』って呼んだ人が居たんだよ」
「ジュノ?」
「フランス語で『青二才』――若造とか、未熟者ってこと」
「すっごく失礼な人ですね」
「そう、失礼なんだよ!しかも、初対面でいきなり呼んで、それ以降ずっと」
しかし、その人を思い出しているらしい世良の表情には、幸せそうな笑みが浮かんでおり、憤慨している様子は全くない。そして、今中の内側で、全てがふと繋がる。その人こそが、世良の心に住む、『故郷に桜の樹を植えようとした人』なのだ、と。
この世界でたった一人だけに呼んで欲しいと、心底渇望するその呼び名を、歯牙にもかけない雑魚に呼ばれる筋合いはない、とその顔は言っている。自分をそう呼んで良いのは、その人だけだ、と。
――まるっきり、駄々をこねる子供だな。
今中は何だか可笑しくなる。
会議のときなどにまで殊更に白衣を着るのは、専門性の高さを意識させ、相手を圧倒するため。軽く、相手を煙に巻くような言動は、相手に掴み所のない人間と認識させるため――世良は、服装も行動もきちんと計算して、『不良債権病院再建請負人』としてのキャラクターを演じている。
なのに――
そんな奴ら、放っておけば良いのに、まるで抵抗するように、少しでも年を取っているように見せようとしているとは。
「世良先生」
今中は、デスクまで戻り、先程未遂に終わったキスをした。その不意打ちに、世良が硬直しているのを確認して言う。
「私はそんな風に呼びませんから、二人で居るときは、眼鏡を外していてください」
宣言したら、世良が面白くなさそうにぼやいた。
「今中先生ってば、意外と独占欲強いんだねぇ」
むしろ、肝要な方だと思いますけど、と言う代わりに、「邪魔だったので」とだけ言って、病院長室を出た。
どんなもんでしょうか、デキてる今世良?!
そもそも他に書いてる人を見たことがないので、参考になるものが何もない、という…。
基本は、世良ちゃんの誘い受っぽい流れだと思うんだけど、一応、今中先生だって男の人ですから、そっちから動くこともあるかと思うし、優しいから天城先生を思うのも許してるけど、そればっかりじゃ嫌だろうし。
世良ちゃんは、今中先生に対してはツンデレだと思っているので、可愛くない発言多めで、割とぎゃんぎゃん言ってる。でも、その心の中では凄く感謝してる、はず。
ま、まあ、こんな感じ、かなぁ、と(びくびく)
世良ちゃんの眼鏡と白衣と態度の訳を勝手に妄想。この3つのポイントは好み過ぎて…。
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